ベシケア錠/OD錠のジェネリック医薬品「ソリフェナシンコハク酸」各社メーカー比較

ベシケア錠/OD錠のジェネリック医薬品「ソリフェナシンコハク酸」各社メーカー比較

2021年5月15日追記

日医工がソリフェナシンコハク酸塩錠2.5mg/5mg「日医工」、ソリフェナシンコハク酸塩OD錠2.5mg/5mg「日医工」の薬価収載を見送る

ベシケア錠/OD錠の薬を発売する予定としていた日医工が、AG薬の薬価収載・発売を見送ることを発表しました。

日医工は業務停止命令解除後、既存品164品目について供給遅延状態となっており、「新製品の上市よりも既存品の安定供給を優先させる」という判断を行い、2021年6月に薬価収載を予定していた

ソリフェナシンコハク酸塩/OD錠、エスゾピクロン錠、パロノセトロ静注、デュロキセチンカプセル

について薬価収載を見送ることを発表しました。

ソリフェナシンコハク酸塩錠/OD錠はベシケア錠のAG薬(同一製剤)であるため、日医工としては大きな市場シェアが予想されていただけに、苦渋の決断のように思います。

以下は2021年4月17日に記載した内容です。

2021年6月に発売予定となっているベシケア錠/OD錠のジェネリック医薬品について、各社添付文書が公開されましたので、薬物動態を比較しました。

私の個人的な注目点としては、AG薬を発売する日医工の製品が他社と同日に発売されるかどうかという点でしょうか。

各社から発売されるソリフェナシンコハク酸の薬物動態比較データをエクセルで作成しました。ご希望の方はダウンロードしてください。

AG薬

日医工が発売するソリフェナシンコハク酸錠/OD錠の添付文書を確認したところ、先発品のベシケア錠とデータが全く同じでしたので、AG薬であることが確認できます。

ソリフェナシンコハク酸錠の追補承認されたのが2021年2月中旬であり、その後2月25日あたりに日医工の不正製造、業務停止処分が発表されました。AG薬としては追補承認されていますが、その後の業務停止処分の影響をうけて、期日までに薬が製造されるか、販売・安定供給可能かという点が焦点となるかもしれません。

AG薬としての利点は患者様にとって有益ですが、「日医工」という屋号を医療機関や患者様がどのようにとらえるか、それぞれかと思われます。

「ソリフェナシンコハク酸」OD錠

日医工を除く他社の添付文書を確認したとろ、2021年4月15日現在でOD錠を発売するメーカーは4社の添付文書が公開されています。

各社ともオリジナル製品を発売します。(薬物同外が同じ同一製品は4社の中には確認できませんでした)

各社の特徴としては

「トーワ」:バラ錠発売、OD5mgに割線あり

「サワイ」:バラ錠発売、OD5mgに割線あり。OD5mgの錠剤サイズが先発と同じ

「JG」:錠剤サイズがOD2.5mg、OD5mgともに先発と同じ

「ニプロ」:バラ錠発売、薬物動態のアベレージが一番先発に近い

上記のような特徴が確認できるかと思います。

tab7

「ソリフェナシンコハク酸」普通錠

日医工を除く他社の添付文書を確認したとろ、2021年4月15日現在で普通錠を発売するメーカーは4社の添付文書が公開されています。

普通錠に関しては、YDと辰巳が同じ製品です。それ以外は各社オリジナル製品であることが確認できます。

各メーカーの特徴をまとめます。

「サワイ」:5mg割線あり。2.5mgは先発と錠剤サイズが同じ、5mgバラ錠発売、薬物動態が先発に近い

「YD」「TCK」:5mgは先発と錠剤サイズが同じ

「トーワ」:2規格とも錠剤サイズが先発と同じ、2規格ともバラ錠発売

という感じでした。

ベシケア錠、ベシケアOD錠のジェネリック市場に関しては、とにかく日医工が製造販売するAG薬が、発売されるか、どの程度の市場規模を確保できるかに注目したいなぁと個人的には感じております。

ojiyaku

2002年:富山医科薬科大学薬学部卒業