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2021年度薬価基準改定が告示(2021年3月5日)(薬価比較表ダウンロードあり)

2021年度薬価基準改定が告示(2021年3月5日)(薬価比較表ダウンロードあり)

2021年3月5日、厚生労働省は2021年度薬価基準改定を告示しました。これまでは2年に1度、薬価改定(薬価引き下げ)が行われていたわけですが、2021年以降は毎年薬価改定が行われれることとなります。

全医薬品1万7550品目のうち1万2180品目(69%)の薬価が改定となりました。

内服薬:8549品目

注射薬:3534品目

外用薬:2118品目

歯科用薬剤:27品目

2021年2月18日時点の薬価と2021年4月1日時点の薬価を比較したエクセル表を作成しました

フリーダウンロードを貼り付けましたので、ご希望の方はクリックしてください。

2021年度薬価改定の対象範囲は、2020年9月時点における平均乖離率が5%を超える品目について行われました。引き下げ率については、通例の調整幅2%に加えて、新型コロナウイルス感染症特例として0.8%分引き下げ率を緩和するという措置が設けられましたので、薬価と市場実勢価格との乖離率から2.8%引いた率が引き下げられます。

各成分の薬価を確認したところ、フェキソフェナジン塩酸塩30mg錠の薬価の価格帯が非常に興味深いなぁと感じたのですが、2021年3月31日まではフェキソフェナジン塩酸塩30mgの価格帯は以下の4価格帯に区分することができました。

アレグラ30mg:41.4円

フェキソフェナジン塩酸塩30mg:10.1円

フェキソフェナジン塩酸塩30mg「YD」など:14.5円

フェキソフェナジン塩酸塩30mg「SANIK」など:21.8円

 

それが、2021年4月1日以降は、なんと7価格帯に分類されることになります。なんと先発のアレグラ30mgと同一製剤のAG薬である「SANIK」よりも薬価が高い製品があることに驚きです。

アレグラ30mg:36.7円

フェキソフェナジン塩酸塩30mg:10.1円

フェキソフェナジン塩酸塩30mg「YD」:10.4円

フェキソフェナジン塩酸塩30mg「EE」など:12.2円

フェキソフェナジン塩酸塩30mg「FFP」:14.5円

フェキソフェナジン塩酸塩30mg「SANIK」など:20.1円

フェキソフェナジン塩酸塩30mg「TCK」など:21.8円

 

その他にも興味深い薬価としては、これまでノルバスク5mgとアムロジン5mgはどちらも38円で同じ薬価だったわけですが、2021年4月1日からは

ノルバスク錠5mg:35.3円

アムロジン錠5mg:34.3円

と薬価が変わります。

 

同様に、アバプロ錠50mgとイルベタン錠50mgも同一薬価(49.1円)だったわけですが、2021ね4月1日からは

アバプロ錠50mg:44.4円

イルベタン錠50mg:44円

と薬価が変わります。

 

このあたりは同一成分の先発医薬品だから薬価も同じというルールではなく、市場実勢価格をもとに薬価が制定されたための措置であることがうかがい知れます。

注):直近1年間で、医療機関への値引き率が大きい医薬品ほど、次年度の薬価が引き下げられるというルールが反映されているためです。

減少率

2021年4月1日薬価へ変更後の減少率を確認してみると、2020年に薬価収載されたジェネリック医薬品の価格が大きく減少していることがわかります。

ガランタミンOD4mg:55%減↓

ガランタミンOD8mg:39%減↓

ガランタミンOD12mg:37.8%減↓

タダラフィル錠2.5mgZA:38.6%減↓

タダラフィル錠5mgZA:33.3%減↓

メマンチンOD5mg:22%減↓

メマンチンOD10mg:22.5%減↓

メマンチンOD15mg:34.3%減↓

メマンチンOD20mg:22.6%減↓

デュタステリドカプセル0.5mgAV:24.6%減↓

 

ジェネリック専用メーカーの改定率は9~10%台と報道されております。(日医工:9.4%↓、沢井:9.9%↓、東和:10.3%↓)

先発メーカーでも2~3%↓と報道されておりますので、製薬業界にとっては毎年厳しい改定が行われることとなります。

 

 

ジェネリック医薬品の分類変更品

2021年4月以降に、ジェネリック医薬品の分類が変わる品目がいくつかありましたので、内服薬に関する情報を下記します。

1:後発医薬品がない先発医薬品(後発医薬品の上市前の先発医薬品等)

2:後発医薬品がある先発医薬品

(先発医薬品と後発医薬品で剤形や規格が同一でない場合等を含む。ただし、全ての後発医薬品が経過措置として使用期限を定められている場合を除きます。後発医薬品と同額又は薬価が低いものについては、「☆」印を付しています。)

3:後発医薬品(先発医薬品と同額又は薬価が高いものについては、「★」印を付しています。)として分類しています。

2021年2月18日までは「2」→4月1日からは「1」

リザベン細粒10% 
レベトールカプセル200mg 

2021年2月18日までは「2」→4月1日からは「☆」

メディトランステープ27mg
テオドール錠50mg

2021年2月18日までは「3」→4月1日からは「★」

テオフィリン50mg徐放錠
テオフィリン50mg徐放カプセル
アロプリノール錠50mg「アメル」
アロプリノール錠50mg「杏林」
アロプリノール錠50mg「ケミファ」
アロプリノール錠50mg「タカタ」
アロプリノール錠50mg「テバ」
アロプリノール錠50mg「日新」
アロプリノール錠50mg「あゆみ」
アロプリノール錠50mg「タナベ」
アロプリノール錠50mg「ファイザー」
アロプリノール錠50mg「DSP」
フルコナゾール静注200mg「NP」

2021年2月18日までは「☆」→4月1日からは「2」

ミニトロテープ27mg

2021年2月18日までは「★」→4月1日からは「3」

メキシレチン塩酸塩錠100mg「KCC」
ロンステロン錠25mg
クロルマジノン酢酸エステル錠25mg「NSKK」
クロルマジノン酢酸エステル錠25mg「日新」
アルファカルシドールカプセル1.0μg「あすか」
カルデミン錠0.25μg
塩化カリウム600mg徐放錠

ojiyaku

2002年:富山医科薬科大学薬学部卒業