おじさん薬剤師の日記

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薬歴の記載内容 診療報酬改定

服用薬剤調整支援料は頓服薬では算定できない/かかりつけ薬剤師指導料の説明用紙に費用の説明も

投稿日:2018年3月9日 更新日:

服用薬剤調整支援料は頓服薬では算定できない/かかりつけ薬剤師指導料の説明用紙に費用の説明も

 

平成30年度診療報酬改定関係資料として「調剤報酬点数表に関する事項」が公開されました。

「調剤報酬点数表に関する事項」には保険薬局の在り方が記されているのですが、従来の文章に追記する形で“赤文字・赤下線”で今回の改定で加えられた文章が記されています。

「調剤報酬点数表に関する事項」(かかりつけ薬剤師指導料について患者様への説明資料を含む)

例えば

「服薬指導に当たっては、「抗微生物薬適正使用の手引き」(厚生労働省健康局結核感染症課)を参考とすること。また、服薬指導を円滑に実施するため、抗菌薬の適正使用が重要であることの普及啓発に資する取組を行っていることが望ましい。」

 

というように抗生剤の適正使用に関する最近の話題が盛り込まれています。

 

また患者様が病院で行った採血結果に関する文言としては

 

「必要に応じ、患者が入手している調剤及び服薬指導に必要な血液・生化学検査結果の提示について、患者の同意が得られた場合は当該情報を参考として、薬学的管理及び指導を行う。」

 

と記されています。平成30年度の診療報酬改定に関する議論の中で、病院で行った検査値を薬局で開示することを加算要件とするかどうかが話し合われておりましたが、現状の解釈としては「患者の同意が得られた場合は薬学的管理及び指導を行う」という内容に留まったようです。

 

新設された服用薬剤調整支援料の詳細が明らかとなりました。

・内服薬の種類数が2種類以上減少し、その状態が4週間以上継続した場合に算定する

・頓服薬は対象とならない

・飲み始めて4週間以内の薬剤は服用薬剤調整支援料の該当薬剤から除外する

・服用薬剤調整支援料を1年以内に算定した場合は、前回の算定にあたって減少した後の内服薬の種類数からさらに2種類以上減少した時に限り新たに算定できる。

服用薬剤支援料の算定要件が明らかとなりましたが、頓服薬は除外、服用開始から4週間以内の薬剤は除外となっておりますので、思っているよりも算定しにくい点数なのかもしれません。

 

乳幼児加算に関しては

「乳幼児に係る薬学的管理指導の際に、体重、適切な剤形その他必要な事項等の確認を行った上で、患者の家族等に対して適切な服薬方法、誤飲防止等の必要な服薬指導を行った場合に算定する。」と明記されました。

 

「調剤報酬点数表に関する事項」の最後のページに「かかりつけ薬剤師指導料についての説明用資料」が記されているのですが、

「調剤報酬点数表に関する事項」(かかりつけ薬剤師指導料について患者様への説明資料を含む)

費用

○ かかりつけ薬剤師指導料(73 点)に要する費用は、3 割負担の場合約 220 円です

(※現在のご負担(薬剤服用歴管理指導料)との実際の差額は、約 60 円または約

100 円程度の増)。

○ かかりつけ薬剤師包括管理料(280 点)は 3 割負担の場合 840 円ですが、調剤基

本料と調剤料のご負担は生じません。

○ かかりつけ薬剤師が対応できない場合は、薬剤服用歴管理指導料(41 点または 53

点)を算定します。

※ 同意はいつでも取り下げることができます。

 

患者様負担金の増額分や、同意をいつでも取り下げることができる旨が記されています。

厚生労働省の見解としては、この説明内容を理解した上で「かかりつけ薬剤師」を必要とする方に対して算定を行うという方針なのでしょう。

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執筆者:ojiyaku


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