おじさん薬剤師の日記

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アルコール 消毒液

消毒用エタノール(手指消毒薬)の効果持続時間について

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消毒用エタノール(手指消毒薬)の効果持続時間について

 

スーパーマーケットやドラッグストアの店頭には手指消毒スプレーが置いてあります。スーパーマーケットの“買物カゴ”は多くの方が手にしますので、インフルエンザウイルスなどの感染拡大を未然に防ぐためにアルコール消毒スプレーなどが配置してあるかと思われます。今回は手指消毒後の持続時間について調べてみました。

アルコール綿で手を拭くと、どの程度殺菌作用が持続するのか

消毒用エタノールでは皮膚の角質層内のバイキンをやっつけることはできない

手指消毒スプレーを手にふりかけると15秒以内に一般細菌やインフルエンザウイルスは殺菌または不活化します。効き目は非常に早いのですが、その効果時間に関しての報告を見てみると、カット綿に消毒用エタノールを浸して、1回または3回または5回拭いたあと、5分後、15分後、30分後、1時間語、2時間後の消毒部位の残存細菌数を調べたデータがありました。

注意:アルコール綿で複数回拭く場合は、アルコール綿を新しいものに取り替えてから拭いているデータです。

 

その結果、アルコール綿で1回拭いたデータによると、5〜15分では消毒効果が認められたものの、30分後には消毒前に近い背菌数の出現が確認されています。市販でアルコールを含むウエットティッシュが売られていますが、1回さらっと拭く感じでは30分程度の持続時間しか得られないようです。

 

アルコール綿で3回拭いたデータによると、30分後までは効果が持続したものの、1時間後には細菌の出現が確認されました。おおよそですが、1時間後の時点で消毒前の半分ほどの細菌が出現している状態でした。実生活で考えますと、アルコールを含むウエットティッシュで3回手を拭く(1回拭くごとに新しいものに替える)という作業は、手が相当汚れていなければすることはないでしょう。

アルコール綿で手を拭くと、どの程度殺菌作用が持続するのか

消毒用エタノールでは皮膚の角質層内のバイキンをやっつけることはできない

アルコール綿で5回拭いたデータでは、1時間語まで消毒効果が認められており、その効果は2時間後まで続きました。(2時間後に消毒前と同程度まで細菌数が戻りました)。

 

上記のデータは1999年の報告なのですが、現在の手指消毒液には手ピカジェルのようにゲル性の製剤もでておりますので、手に塗布したあとの保持性という観点では少し持続性は上がるかもしれません。といっても消毒用アルコールでの手指消毒では30分〜2時間程度が限界かもしれません。

 

手指消毒スプレーではなく、消毒をしたあとにガーゼで患部を覆った場合の報告を見てみると、70%エタノール、10%ポビドンヨードなどで皮膚表面を殺菌処理したあとにガーゼで6時間覆ったデータでは、皮膚表面の細菌は殺菌できたものの、15〜25層の角質層内の細菌を根絶させることはできなかったという報告がありますので、このあたりが限界なのかもしれません。

 

尚、アメリカで使用されている外用抗菌剤(バシトラシン・ポリミキシン・ネオマイシンの3剤配合抗菌剤)を皮膚に塗布したところ7人中6人が24時間にわたって皮膚表面の細菌を根絶させることができたと報告されておりますので、手指消毒スプレーと外用抗菌剤の区別はこのあたりかなぁと思います。

 

まとめ

アルコール消毒液(手指消毒液)は30分〜2時間程度、皮膚表面の細菌をやっつけることができるものの、角質層内の細菌をやっつけることはできない。

 

外用抗生剤(3剤合剤)は24時間にわたって患部の細菌感染を予防できる。(傷口などの感染防止にむいている)

アルコール綿で手を拭くと、どの程度殺菌作用が持続するのか

 




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