おじさん薬剤師の日記

調剤薬局で勤務するおじさんです。お薬のはたらきを患者様へお伝えします

消毒液

赤チンが2020年で国内生産を終了

投稿日:2019年4月18日 更新日:

赤チンが2020年で国内生産を終了

 

日本で唯一、傷口に塗る赤い消毒液「赤チン」(マーキュロクロム液)を製造販売している三栄製薬が、2020年末でその生産を中止することを明らかとしました。

「赤チン(マーキュロクロム液50ml/35ml」の製造方法は三栄製薬を特集した記事に非常にわかりやすく記されていました。

「赤チン」の作り方

赤チンの原料である「マーキュロクロム」という緑色の粉を海外から輸入し、2%水溶液となるように精製水を注いで赤チンは作られます。月に1度、社長自ら180Lの赤チン(2000~3000本に相当)を製造していると写真付きで紹介ページに記載されていました。

kizu

kizu

1970年代ころまでは傷口に「赤チン」を塗って消毒することが一般的でしたが、その後“無色透明で”しみない消毒液“マキロン”が登場したことで、消毒液市場が一気にマキロンへ移行した経緯があるため、三栄製薬における「赤チン」の売り上げは全体の1%にも満たないということです。

 

「赤チン」に関する日本国内のルールを確認してみたところ、2019年5月31日をもって日本薬局方から「赤チン」が削除されることとなっておりました。さらに2020年12月31日には、水銀による環境の汚染の防止に関する法律によって国内での製造も規制される予定となっており、このあたりが製造販売を中止する要因となったのかもしれません。

(赤チンの原薬を製造する過程で水銀が発生するためです)

 

海外での「赤チン」の取り扱いを確認したところ、米国では1998年に流通が停止しており、ドイツでは2003年、フランスでは2006年に販売中止しれていることがわかりました。

消毒用エタノール(手指消毒薬)の効果持続時間について

2019年現在でも傷口に使う消毒液といえばマキロンやその類似品(塩化ベンゼトニウムを主成分)が主流であり、「赤チン」は店頭で見ることもなくなりって久しい気がします。赤チンの販売終了と聞くと、若干さみしさを感じますが、これも時代の流れなのだなぁとも感じます。

-消毒液
-2020年, マーキュロクロム, 製造販売終了, 赤チン

執筆者:ojiyaku


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

HClO

消毒用エタノール(手指消毒薬)の効果持続時間について

消毒用エタノール(手指消毒薬)の効果持続時間について 次亜塩素酸水について 新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について、厚生労働省・経済産業省・消費者庁の合同特設ページが公開されました。(2020年6 …

ugai

風邪のひきはじめで喉が痛い場合の市販薬

風邪のひきはじめで喉が痛い場合の市販薬 ugai 風邪のひき始めの時、朝起きると非常に強い喉の痛みを感じることがあります。私の場合、のどの痛みの度合いは“起床時”が一番つらく、その後は朝~昼にかけて痛 …

  google adsense




2023年12月発売予定のGEリスト(エクセルファイル)

2023年12月発売予定のGEリスト(エクセルファイル)

2023年4月薬価改定 新旧薬価差比較データ(エクセルファイル)

2022年4月薬価改定。新旧薬価差比較データ(エクセルファイル)

おじさん薬剤師の働き方

how-to-work

薬剤師の育成について

how-to-bring-upo

日医工・沢井・東和・日本ジェネリック・日本ケミファ・アメルの出荷調整リスト

日医工・沢井・東和・日本ジェネリック・日本ケミファ・アメルの出荷調整リスト




how-to-work