尋常性乾癬に対するtapinarofクリームの有効性について

尋常性乾癬に対するtapinarofクリームの有効性について

軽度~重度の尋常性乾癬患者510例を対象としてtapinarofクリームの有効性について検討された2つの第三相比較試験データが公開されました。

被験者:慢性尋常性乾癬患者(18~75歳)のうち6カ月以上症状が安定しており、体表面積の病変が3~20%(頭、手のひら、爪、足の裏は含まない)の患者さんを対象としています。

尋常性乾癬患者に対するtaipnarofクリームの有効性について

治療開始前の症状の程度を、PGAスコアで評価し、軽度(スコア2)、中等度(スコア3)、重度(スコア4)と数値化しています。軽度または重度の患者さんの割合をそれぞれ10%とし、80%以上が中等度として試験を行っています。

試験Ⅰ(2019年4月25日~2020年5月26日)

被験者510人を

tapinarofクリーム使用群:340例

基剤使用群:170例

試験Ⅱ(2019年5月30日~2020年5月13日)

被験者515人を

tapinarofクリーム使用群:343例

基剤使用群:172例

にそれぞれ割り付けて、1日1回12週間使用した時点での治療成績を確認しています。

結果

試験Ⅰ:PGAスコアの改善度

tapinarof使用群:35.4%

基剤使用群:6%

試験Ⅱ:PGAスコアの改善度

tapinarof使用群:33.9%

基剤使用群:6.1%

となり、tapinarof使用により乾癬症状が軽減していることが確認されます。

より具体的なデータとしては12週時点におけるPGAスコアが0~1になった患者の割合は

試験Ⅰ:PGAスコア:0~1となった割合

tapinarof使用群:37.8%

基剤使用群:9.9%

試験Ⅱ:PGAスコア:0~1となった割合

tapinarof使用群:43.6%

基剤使用群:8.1%

という結果となり、tapinarofクリーム使用により治療成績が有意に改善していることをが確認されます。

試験中の有害事象に関してはtapinarofクリーム使用群において、毛嚢炎、咽頭炎、接触皮膚炎、頭痛などの症状が高かったと報告されています。

(tapinarof群の有害事象:50.3~54.5%、基剤使用群の有害事象:22.4~26.2%)

アトピー性皮膚炎に対するtapinarofクリームの有効性について

 

グラクソスミスクラインは、アトピー性皮膚炎に対するtapinarofクリームの有効性についての第Ⅱ相臨床試験データを公開しました。

 

被験者:思春期および成人のアトピー性皮膚炎患者(約270人:米国・カナダ・日本)

約30人の日本人が被験者に含まれています。

 

被験者のアトピー性皮膚炎の程度

体表面積の5~35%において、IGAスコアが3以上(中等度~重度)

IGAスコアとは、アトピー性皮膚炎の医師による全般的評価を表します。IGAスコア0=アトピー消失を意味します。

 

tapinarofクリームを12週間使用した後の治療成績としては、IGAスコアが0または1まで軽減した、またはIGAスコアが2段階以上改善した患者を治療成功と評価しています。

アトピー性皮膚炎に対するtapinarofクリームの有効性について

ointment

Tapinarofクリームの効果について

 

tapinarofクリーム1%を1日2回使用した群の治療成績:53%

 

tapinarofクリーム1%を1日1回使用した群の治療成績:46%

 

tapinarofクリーム0.5%を1日2回使用した群の治療成績:37%

 

tapinarofクリーム0.5%を1日1回使用した群の治療成績:34%

 

プラセボクリームを1日2回使用した群の治療成績:24%

 

プラセボクリームを1日1回使用した群の治療成績:24%

軟膏が皮膚から吸収されるまでの時間について

グラクソスミスの評価

 

tapinarofクリーム1%使用群は開始1週間目で効果が確認され、8~12週目で最大治療効果が確認された。taipnarofクリームを使用して効果が感じられた被験者の70%が、tapinarofクリームの使用を中止した後も改善が維持されました。

 

副次評価項目としてはEASIスコア(EASI-75)に関して、75%改善を達成した群を確認すると

 

tapinarofクリーム1%を1日2回使用した群:60%

 

tapinarofクリーム1%を1日1回使用した群:51%

 

プラセボ群:26%

マウスに対するtapinarofクリームの効果について

有害事象

 

tapinarofクリームを使用した群の4%、プラセボ群の7%が有害事象により治験を中止しています。

 

tapinarofクリーム使用群で最も多く確認された有害事象は「毛嚢炎」および「接触皮膚炎」であったことから、第Ⅲ相試験では接触皮膚炎のパッチテストが組み込まれることになります。

 

tapinarofクリームの薬理作用とは

 

tapinarofクリームの具体的な薬理作用が示されたデータは少ないのですが、皮膚のターゲットとなる部分は“芳香族炭化水素受容体(AhR)”です。Tapinarofが芳香族炭化水素受容体に対して作用薬として記されている報告が多いのですが、一部では“遮断薬(アンタゴニスト)”と記されているデータもありました。私としては以下“マウスに対するtapinarofの効果”が一番詳しく書かれているのではないかと感じており“作用薬”と解釈しました。

Tapinarofは細菌によって産生されるポリフェノール構造を持つ製剤であり、アトピー性皮膚炎および乾癬の治療にむけて治験が行われている天然由来の医薬品です。

 

Tapinarofは芳香族炭化水素受容体を活性化する作用に加えて、Nrf2経路活性に由来する抗酸化ストレス応答系の制御に関する有効性が期待されている製剤です。

 

Tapinarof治療後のヒト末梢血管T細胞およびsRICA培養においてIL-17Aの発現レベルが減少することが見いだされており、前炎症性メディエータを阻害することで皮膚バリア機能の増強に寄与する薬理作用が示唆されています。

 

IL17Aは乾癬治療においても重要な役割を果たすことが示唆されているためtapinarofの第Ⅲ相試験ではアトピー性皮膚炎および乾癬に関する報告が期待されるところです。

外用ステロイド薬に貼り薬が少ないわけ(ステロイドテープ剤が少ないわけ)

ojiyaku

2002年:富山医科薬科大学薬学部卒業