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2016年3月1日 タケキャブの長期処方が始まる。(PPIとの比較データ)

2016年3月1日 タケキャブの長期処方が始まる。(PPIとの比較データ)

2016年3月1日からタケキャブ錠10mg、20mgの長期処方が解禁となります。

「再燃再発を繰り返す逆流性食道炎の維持療法として1回10mgを1日1回経口投与するが、効果不十分の場合は1回20mgを1日1回経口投与することができる」
という用法ですので、症状によりタケキャブ20mgを期間制限なく処方することが可能となります。

 

以下の適応症の場合はタケキャブ10mgを期間制限なく処方することが可能となります。

低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制の場合

通常、成人にはボノプラザンとして1回10mgを1日1回経口投与する。

タケキャブとランソプラゾールの比較データ(原文)

非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制の場合

通常、成人にはボノプラザンとして1回10mgを1日1回経口投与する。

薬局現場で働いていて、PPIに比べてタケキャブの有用性を患者さんにお伝えするケースがあるかどうかはわかりませんが、具体的な説明を求められたときに「違い」をお伝えできるようタケキャブとPPIとの比較データを記載いたします。

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~タケキャブ(P-CAB)とPPIとの比較データ~

 

びらん性食道炎と診断された患者さん409人を対象としてタケキャブ20mgとタケプロン30mgを1日1回8週間服用した時の内視鏡的治癒率は、タケキャブ群で99%、タケプロン群で95.5%となっており非劣性が確認されています。

このデータでユニークな点では投与開始2週間後時点での初期段階の治癒率が示されている点です。タケキャブ群では90.7%が治癒しているのに対し、タケプロン群では81.9%というデータとなっています。4週間後の治癒率になるとタケキャブ群96.6%、タケプロン群92.5%となりいずれも90%を超える治癒率となります。タケキャブ(P-CAB)の薬効は服用初日から効果が現れるのに対し、タケプロンは服用後1週間ほどして定常状態に達してから効果が現れますので、このタイム差が初期段階での治癒率の差として示されたものと思われます。

普段患者さんにお薬をお渡ししていて「胸やけ・胃痛・胃部不快感」といった自覚症状に対しタケキャブが14日間処方されることがあります。私の勤務する薬局では2週間後にPPIへ切り替わるケースが多いのですが、上記のようなタケキャブによる迅速な効き目が早い段階で快方に向かう理由であると思われます。

また、再燃再発を繰り返す逆流性食道炎に対するデータとしては52週間の維持療法として1日1回タケキャブ10mgまたは20mgが投与されたデータがあります。再発率はタケキャブ10mgで6%、20mgで9%といずれも低い値が示されています。

武田製薬はタケキャブを承認申請する際のデータとして、タケキャブ10mg、20mgとランソプラゾール15mgをそれぞれ1日1回24週間使用した時のデータを提出していますが、そのデータでも逆流性食道炎の再発率はタケキャブ10mg群で5%、20mg群で2%、ランソプラゾール15mg群で16.8%となっておりタケキャブの有用性が示されています。

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どの医薬品でも起こりうるのですが、年単位で使用を続けることで起こりうる副作用があります。使用例が多ければ多いほどその集積率は上がります。PPIを長期間使用することが慢性腎臓病(CKD)のリスクとなりうるデータが報告されておりますので、同一作用点であるタケキャブを長期的に服用することが同様のリスクファクターとなるかどうかは経過観察が必要かと思います。

 

現段階では逆流性食道炎における最上位治療薬に分類される薬ですので、その処方頻度は主治医の考えによりますが、今後、確実に使用量が増える品目ですので胃腸科の門前薬局ではタケキャブ錠の在庫を増やす必要がある品目かと思います。

tab4

追記

タケキャブ錠には処方日数制限がありませんので何日間でも処方することが可能です。ただし所属する地域の支払基金・保健所の考えによっては、タケキャブに限らず、医薬品の処方日数制限(例:100日など)を設けている地域がるようです。適応症によって10mgまたは20mg(再燃再発を繰り返す逆食の維持療法)の長期投与が可能です。

 

タケキャブの発売以降、ピロリ菌の除菌治療のメインがタケキャブとなったことを受けて、タケプロン含有のピロリ菌除去パック製剤”ランサップ、ランピオン)が経過措置(2019年3月)となりました。

ojiyaku

2002年:富山医科薬科大学薬学部卒業