2021年6月中旬にルネスタ錠のジェネリック医薬品”エスゾピクロン錠”が発売されます。
各社から発売されるエスゾピクロン錠の薬物動態についてエクセル比較データを作成し、各製剤の特徴をまとめました。
ご希望の方は以下からエクセルデータをダウンロード可能です。
2021年6月に発売されるルネスタ錠のジェネリック医薬品の薬物動態を比較したところ、以下のメーカーから発売されるエスゾピクロン錠の薬物動態が同じであることが確認されました。
・ニプロ、杏林、TCK
・トーワ、日新、明治、日医工、DSEP、YD
・サワイ、KMP
・NPI、アメル、ケミファ
2021年6月に、10数社からはエスゾピクロン錠が発売されるわけですが、その薬の中身を実際に見てみると、4種類のどれかであることがわかります。
先発品と添加物が同じジェネリックが好ましと考える場合は
トーワ、日新、明治、日医工、DSEP、YD
上記5社から発売されるエスゾピクロン錠がよいと思います。
上記5社が発売するエスゾピクロン錠に含まれる添加物リストを確認したところ、どの成分も先発品に含まれてる成分と同じであり、さらに先発品のルネスタ錠に含まれている添加物よりも品目数が少ないことが確認できます。
そのためジェネリック医薬品へ変更したことで「添加物が違うので・・・」という患者様への説明が割愛されるかと思われます。
ルネスタ錠は睡眠薬ですので、ジェネリック医薬品へ変更することで寝つきが悪くなっては意味がありません。
どの製剤もAUCは±3%以内、Cmaxも±8%以内におさまっており、良質な製剤であることがわかります。(体内に取り込まれる量、効き目がピークになるときの濃度にバラツキは少ない)
あくまで参考値ではあるのですが、表示されているTmax(効き目がピークになるまでの時間)を確認してみると
サワイ、KMP
上記2社から発売されるエスゾピクロン錠は、Tmaxが先発よりも若干短い(効き目が早い)ことが確認できます。誤差程度の数値ではあるものの、薬の発動時間が早い、入眠までの時間が短い製剤であることが示唆されます。
・ニプロ、杏林、TCK
上記3社から発売されるエスゾピクロン錠は錠剤サイズの直径が先発よりも1.5㎜大きい製剤となっています。
それ以外のメーカーから発売されるエスゾピクロン錠は先発品と同じか0.1㎜小さい製剤となっています。
錠剤分包機を使用して、先発品のルネスタ錠から後発品のエスゾピクロン錠へカセットを使いまわす場合は錠剤径が0.2㎜以内であると、一般的に使いまわしが可能と考えられていますので、カセットを使いまわす場合は、そのあたりもメーカー選定の1要因となるかなぁと思います。