セルタッチ・フェルビナク・スミル・フェイタス・フェルナビオンテープの使用感について
痛み止めの成分「フェルビナク」を含む湿布剤、テープ剤は医薬品から市販薬までさまざまな種類が使われております。今回は、セルタッチ・フェルビナク・スミルテープ・フェイタス・フェルナビオンといったテープ剤の使用感についてまとめてみました。
各製剤の特徴について以下のポイントに焦点を絞ってまとめました。
モーラステープを剥がすタイミングについて
- 水蒸気透過性:テープ剤を貼っている部位に皮膚からの発汗があった場合にテープ剤がどの程度汗を透過することができるかを示す指標です。この値が高ければ汗がこもらないのでかぶれにくいと言えますが、皮膚への密着率は下がるため鎮痛作用が物足りなくなる可能性があります
- 剥離強度:剥がしたときにどれくらい皮膚にダメージを与えるかという指標です。
- 伸長率:関節などの可動部位にテープ剤を貼ったときに、どの程度伸び縮をするかを表す指標です。
- 粘着力:患部への接着力です。剥離強度は剥がしたときの抵抗度合いの指標でしたが、粘着力は剥がれずに接着し続ける指標と考えます。
- 濡れた皮膚からの剥がれやすさ:「濡れて剥がれるテープ剤」という特徴はメリットにもデメリットにもなります。「手首にはったテープ剤が水仕事をするたびに剥がれる」となればデメリットです。「腰にテープ剤を貼ったまま入浴したらテープ剤がお湯に濡れただけでツルッと剥がれた」となればメリットともなります。使い勝手の指標になるかと思います。
以下に各製剤の特徴をまとめます。
モーラステープは何枚まではることができるのか
セルタッチテープ
特徴
貼ると良く効きます。水に濡れてもはがれにくい製剤です。他剤に比べると若干はがれやすさ、かぶれやすさを感じるケースがあるかもしれません。
セルタッチテープの特性
- 水蒸気透過性(189g/㎡/24h):低めですので長時間貼り続ける方はかぶれに
注意が必要ですが、密着率が高いため薬の成分は皮膚に浸透します。
・剥離強度(0.91N):低めですので剥がしたときの皮膚へのダメージは少ないです。
・伸長率(251%):伸び率としては中間程度です。スポーツをする方の関節に貼
る場合は伸縮性の程度を確認してもらってもいいかもしれません。
・粘着力(0.06g):粘着力が低い製剤です。剥がれやすいかもしれないと思ったら同一成分のジェネリック医薬品を使用してもいいかもしれません。
・濡れた皮膚から剥がれる時間:120分以上。濡れてもはがれにくい製剤です。
フェルビナクテープ「EMEC」
特徴
かぶれにくい製剤です。粘着力も高いので一度はると剥がれにくい特性があります。剥がすときは水に濡らすとすぐ剥がれます。
フェルビナクテープ「EMEC」の特性
モーラステープを剥がすタイミングについて
- 水蒸気透過性(380g/㎡/24h):非常に高い値ですので長時間貼り続けてもかぶれにくい製剤となっています。水蒸気透過性が高い分、密着率の低下・効果の減弱の可能性については個人差がありますので使用感を確認する必要があります。
- 剥離強度(42N):低い値ですので剥がしたときの皮膚へのダメージは少ないです。
- 伸長率(250%):伸び率としては中間程度です。スポーツをする方の関節に貼る場合は伸縮性の程度を確認してもらってもいいかもしれません。
- 粘着力(45g):粘着力が高い製剤です。剥がれにくい製剤です
- 濡れた皮膚から剥がれる時間:1分。濡れると剥がれるように作られた薬です。
スミルテープ
特徴
伸縮性が高いため膝や肘など、よく動かす部分に貼っても使い心地が良い製剤です。さらに透過性も高いため、かぶれにくい製剤となっています。剥離強度が高く、濡らしても剥がれにくい製剤ですので、皮膚から剥がすときはゆっくり剥がしましょう。
スミルテープの特性
- 水蒸気透過性(318g/㎡/24h):フェルビナクテープ「EMEC」に次いで高い値ですので長時間貼り続けてもかぶれにくい製剤となっています。水蒸気透過性が高い分、密着率の低下・効果の減弱の可能性については個人差がありますので使用感を確認する必要があります。
- 剥離強度(0N):高い値ですので、剥がすときは皮膚がいたまないようにゆっくり剥がしましょう
- 伸長率(319%):伸縮性が非常位高い製剤です。肘膝などの可動部位に貼っても剥がれにくい製剤となっています
- 濡れた皮膚から剥がれる時間:120分以上。濡れてもはがれにくい製剤です。
フェイタス
特徴
市販薬です。ドラッグストアで購入できます。密着率が高く剥がれにくい製剤ですので一度貼るとよく効く製剤です。水に濡れても剥がれにくいので皮膚から剥がすときは皮膚が傷まないように注意しましょう
フェイタスの特性
- 水蒸気透過性(200g/㎡/24h):セルタッチテープと同程度です。低めですので長時間貼り続ける方はかぶれに注意が必要ですが、密着率が高いため薬の成分は皮膚に浸透します。
- 剥離強度(2N):高い値ですので、剥がすときは皮膚がいたまないようにゆっくり剥がしましょう
- 伸長率(287%):よく伸びる製剤です。動部位に貼っても剥がれにくい製剤となっています
- 粘着力(45g): 粘着力が高い製剤です。剥がれにくい製剤です
- 濡れた皮膚から剥がれる時間:120分以上。濡れてもはがれにくい製剤です。
フェルナビオンテープ
特徴
非常に平均的なフェルビナクテープ剤と言えます。バランスが取れている印象です。密着率が高く剥離度も、そこそこ高いため皮膚から剥がすときは注意が必要です。かぶれに注意。水に濡れても剥がれにくい製剤です。
フェルナビオンテープの特性
- 水蒸気透過性(210g/㎡/24h):セルタッチテープと同程度です。低めですので長時間貼り続ける方はかぶれに注意が必要ですが、密着率が高いため薬の成分は皮膚に浸透します。
- 剥離強度(1N):高い値ですので、剥がすときは皮膚がいたまないようにゆっくり剥がしましょう
- 伸長率(230%): 伸び率としては中間程度です。スポーツをする方の関節に貼る場合は伸縮性の程度を確認してもらってもいいかもしれません。
- 濡れた皮膚から剥がれる時間:120分以上。濡れてもはがれにくい製剤です。