ジェネリック医薬品の品質について溶出試験結果公開(第19回GE品質情報検討会)
第19回ジェネリック医薬品品質情報検討会の結果が公開されました。
今回の報告では、解熱鎮痛消炎剤8品目について、先発医薬品と後発医薬品の溶出試験を検討しています。
該当品目
・ハイペン100mg/200mg、オステラック100mg/200mgおよびその後発医薬品8品目
・ソレトン80mg、ペオン80mgおよびその後発医薬品(ザルトプロフェン7品目)
・二フラン75mgおよびその後発医薬品(プラノプロフェン1品目)
・ブルフェン200mgおよびその後発医薬品(イブプロフェン2品目)
・モービック5mg/10mgおよびその後発医薬品(メロキシカム9品目)
・アセトアミノフェン細粒・ドライシロップ8品目
・モーバー100mg、オークル100mgおよびその後発医薬品(アクタリット100mg3製品)
注:解熱鎮痛消炎剤「ロキソプロフェン錠60mg」に関しては、第4回ジェネリック医薬品品質情報検討会で溶出試験がおこなわれ、辰巳化学が溶出挙動に類似性がなかったという結果をうけて、改善がおこなわれています
試験結果の判定方法
先発品に対する後発医薬品の溶出性の類似許容範囲を±20%、f2関数では35以上を許容範囲内と判断する。溶出率が低い場合の類似許容範囲は±16%、f2関数の許容範囲を42以上としています。
結果
・エトドラク錠100mg/200mg「オーハラ」について、pH1.2およびpH4.0および水における溶出挙動が遅く、先発品の溶出挙動とも類似範囲になかった。メーカーへの問い合わせに対して、メーカー実施の試験においても両含量規格において、同様に溶出が遅いことが確認され、原薬の粒度管理を行うなど、溶出性の改善に向けた検討を進めるとの回答があった。
・メロキシカム錠5mg「TCK」(辰巳化学)について、pH6.8における溶出が遅く、先発品と類似の範囲になかった。メーカー実施の試験においても先発製剤の溶出挙動と類似の範囲にかなったことが確認され、原因究明と改善の検討を行うと回答があった。
・アクタリット錠100mg「TCK」(辰巳化学)について、溶出が遅く先発品と類似の範囲になかった。メーカー実施の試験において、当該ロットでは同様に溶出が遅かったものの、直近2ロットの溶出挙動は類似の範囲にあることが確認された。そのため、ロット間で溶出挙動が異なっている原因について、調査をすすめるとの回答があった。
上記の3品目以外の後発医薬品については先発医薬品との溶出挙動が±20%以内におさまっています。たまたまなのかわかりませんが、辰巳化学の解熱鎮痛消炎剤はロキソプロフェン錠のときと同様に溶出性が遅延する結果となっています。
薬局で勤務しているなかで、ジェネリック医薬品について患者様へご説明していると
「ジェネリック医薬品って本当に先発品と効き目が同じなの?」
とご質問をいただくことがあります。今回の報告結果のように先発品と溶出挙動が異なるジェネリック医薬品はゼロではないかもしれません。
上記内容を含むジェネリック医薬品品質に関する試験結果一覧は
「ジェネリック医薬品品質情報検討会の試験結果一覧」
に記されていますので、新規でジェネリック医薬品を採用する場合は溶出挙動について確認してみてもいいのかもしれません。