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カリメート経口液20%の添加剤変更で服用感の改善・アップルフレーバー発売

カリメート経口液20%の添加剤変更で服用感の改善・アップルフレーバー発売

 

カリメート経口液(ノンフレーバー・オレンジフレーバー)を製造販売している興和株式会社は、カリメート経口液20%に関する服用感(ザラザラした感じ)についての不満についての意見を集約し、製剤改良を行ったことをホームページで公開しました。

カリメート経口液20%の原薬や添加剤を見直すとともに、ノンフレーバ―・オレンジフレーバーに加えて、アップルフレーバー(リンゴ風味)製剤も発売することを公開しています。発売は2019年2月末を予定しているということです。

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カリメート散の湿潤熱について

 

カリメート散やケイキサレート散(またはそのジェネリック)を服用する際は、30~50ml程度の水に懸濁(水に入れてかき混ぜる)して飲むように記されています。

 

開封したカリメート散を舌の上に直接のせると、舌の水分とカリメート散が反応して湿潤熱を発生して、舌が熱く感じてしまうので避けなければなりません。(10mlの水にカリメート散5gを懸濁させると4.7℃の水温が上がります)

 

また、カリメート散はザラツキ感が強く、患者様から「この薬は砂を食べているようだ」と言われたことがあります。

カリメート経口液20%の製剤改良

カリメートドライシロップ

 

カリメート散で発生していた湿潤熱はドライシロップとすることで発生しなくなりました。しかし、ドライシロップとしたことで1袋に含まれる粉の量が1包5g→5.4gと増えました。

カリメート散と比較するとザラツキ感は軽減しています。

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カリメート経口液

 

カリメート経口液が2013年から発売されるようになりました。カリメート経口液は散剤と比較して服用するときの水分摂取量を少なくすることができるとともに、均一分散性が確保されたゲル状で服用することが可能という利点があります。散剤を十分懸濁せずに服用してしまうと、ダマの状態で飲みこむことになります。するとカリウム交換効率が低下するだけでなく便秘の原因にもつながります。カリメート経口液ではこのような心配はいりません。

 

今回、新たにカリメート経口液の製剤改良が行われましたので、継続服用している患者様にとって、さらに“飲みやすい製剤”となっていることを期待したいです。

ojiyaku

2002年:富山医科薬科大学薬学部卒業