新規の高カリウム血症治療薬Patiromerのライセンスをゼリア新薬が締結
ゼリア新薬は高カリウム血症治療薬Patiromer(海外販売名:VELTASSA®)について、国内での独占的開発および販売に関する契約を締結したことを公開しました。
Patiromer(VELTASSA)とはナトリウムを含まない陽イオン結合非吸着性ポリマーで、経口で服用すると腸管内で過剰なカリウムを結合して便とともに排泄され、高カリウム血症を改善する医薬品です。においや味がほとんどなく、1日1回の服用で服用時の水の量が少なくて済むという特徴があります。
海外での臨床データを確認してみると、薬効の発現は服用後7時間後に検出され(血中カリウムの低下を確認)、連日服用をつづけると48時間にわたって減少が確認されています。効果持続時間は24時間にわたって安定したカリウムの低下が示され、服用中止後、血中カリウム濃度が元に戻るためには4日間を要します。
高カリウム血症治療薬Patiromer(VELTASSA®)の開発・販売の契約締結(ゼリア新薬)
海外での使用量
1日1回8.4g(最大25.2gまで増量可能)
VELTASSAは経口懸濁パウダーですので、服用時に水と混合します。カップ1/6程度の水にVELTASSA8.4gを加えてかき混ぜ、その後カップ1/6程度の水を追加して、さらにかき混ぜます。VELTASSAは溶けることはなく懸濁されます(濁って見えます)。必要に応じて水を追加して、懸濁液を飲みます。(コップにパウダーが残っている場合は水を追加してかき混ぜ飲んでください)
国内で使用されている同類薬“カリメート散”の用法用量は
通常成人1日15~30gを2~3回にわけ、その1回量を水30~50mLに懸濁し、経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
VELTASSA®とは
となっていますので、Patiromer(VELTASSA)の利点は1日1回で済むというところでしょうか。
他剤との併用は不可で、Patiromer(VELTASSA)を服用する前後3時間以内は他剤の服用をしないよう記されています。
副作用:便秘・下痢・吐き気・低マグネシウム血症など
米国では2015年12月より販売されており、ヨーロッパでは2017年7月にEMA(欧州医薬品庁)から承認を取得しています。