おじさん薬剤師の日記

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ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%および外用泡状スプレー0.3%の一般名処方について

投稿日:2018年12月15日 更新日:

ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%および外用泡状スプレー0.3%の一般名処方について

 

【般】ヘパリン類似物質スプレー0.3%

と処方箋に記載されていれば、

乾燥肌(ドライスキン)に対して抗ヒスタミン剤が処方されない理由について

ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%「△△」

ヘパリン類似物質外用泡状スプレー0.3%「〇〇」

 

患者様の希望に応じて、調剤薬局では上記のどちらを調剤してもよいというルールとなっています(日医工MPIへ確認)。そこで、今回は「外用スプレー」と「外用泡状スプレー」の違いについて調べてみました。

 

スプレーとは

 

「スプレーの定義を確認してみると、液体を霧または泡などの状態で噴霧する装置」と記されています。処方箋に一般名で「スプレー」と記されている場合は「霧または泡で噴霧する製剤」と解釈されますので、「外用スプレー」「外用泡状スプレー」どちらを調剤しても良いという解釈となります。では、以下に外用スプレーと外用泡状スプレーの違いについてまとめます。

 

注意)外用スプレーも外用泡状スプレーも効き目、主成分の含量は同等です。

 

日東メディックという製薬会社は

ヘパリン類似物質外用スプレー「ニットー」および、ヘパリン類似物質外用泡状スプレー「ニットー」という両製剤を販売しておりますので、今回は「ニットー」の製品について、その特徴を調べてみました。(以下、外用泡状スプレーのことを“泡状スプレー”と記します)

軟膏が皮膚から吸収されるまでの時間について

添加物の違い

 

外用スプレーは霧状に液体を散布する製剤であるのに対して、泡状スプレーは、たくさんの泡を作る必要があります。そのため、両製剤に含まれる添加物には大きな違いが確認できます。

 

外用スプレーの添加物

外用スプレーを霧状に均等に噴霧するための一番の敵は「泡」です。容器内部やノズル周辺に泡がまたってしまっては、均等にミストを噴霧することはできません。そこで添加物の特徴として泡立たないような安定化剤(界面活性剤)が選択されています。

“ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール“という長い名前の添加物が含まれているのですが、この成分は低気泡性の界面活性剤(安定化剤)と呼ばれており、その名の通り、”泡立ちをおさえた”界面活性剤という役割があります。

白色ワセリンとプロペト軟膏の違い/ベトベトしないのはどっち?

それに加えて

カルボキシビニルポリマー:ゲル状にして皮膚になじみやすくする成分

ヒプロメース:粘稠性をUPする成分

 

という2つの成分が液体に“とろみ・粘稠性”をつけることで過度の泡立ちを抑える働きがあると私は考えております。


泡状スプレーの添加物

外用スプレーとは対照的に、泡状スプレーの特徴は、泡をたくさんつくることです。

 

ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60:非イオン性界面活性剤

ラウロマクロゴール:非イオン性界面活性剤

ステアリン酸ポリオキシル40:非イオン性界面活性剤

 

添加物を確認してみると3種類の界面活性剤(泡をたくさんつくる成分)が入っていることがわかります。(シャボン玉を作るときに3種類くらいのシャンプーやボディソープを混ぜると良く泡立つのと同じ原理のような気がします。)

軟膏が皮膚から吸収されるまでの時間について

さらに

D-ソルビトール

ヒアルロン酸ナトリウム

という2つの成分が含まれることで、皮膚に塗布後の保湿・粘稠性に寄与しているものと思われます。

spray

spray

容器の違いについて

 

外用スプレー

イメージとしては霧吹きと同じような感じです。ノズル(噴霧口)部分に細かい穴があいていて、そこを泡立ちにくい液体が通過することで霧状(ミスト状)の液体が噴霧される仕組みです。

 

泡状スプレー

ワンプッシュすると、液体が容器の内部にあるチューブを通って吸いあげられます。このままでは泡状にはなりません。泡がでてくる部分の直前にメッシュ状(網状)の通過部位(目の細かなザルのようなもの)が設置されています。このメッシュ部位を泡立ちやすい液体が勢いよく通過することで泡が作られる仕組みです。

 

以上、添加物の違い、容器の違いに着目して

“ヘパリン類似物質外用スプレー”と“ヘパリン類似物質外用泡状スプレー”の違いを記しました。

 

調剤する際の注意点

調剤する際に、1点だけ注意があります。

先発品のヒルドイドフォーム0.3%が1本92gであるのに対して、ジェネリック医薬品はすべて1本100gまたは200g入りの製剤です。

軟膏が皮膚から吸収されるまでの時間について

そのため

【般】ヘパリン類似物質スプレー0.3% 92g

と処方箋に記されていた場合はヒルドイドフォームを意味します。

 

【般】ヘパリン類似物質スプレー0.3% 100g

と処方箋に記されていた場合は後発品の外用スプレーまたは外用泡状スプレーを意味します。

 

 

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-ヘパリン類似物スプレー, 一般名, 処方箋, 外用スプレー, 外用泡状スプレー, 比較, 違い

執筆者:ojiyaku


  1. はる より:

    初めまして、大変参考になる記事をありがとうございます。
    ヘパリン類似物質による保湿はエビデンスもあり肌によいと知り
    使いたいと考えているのですが、
    スプレーに加え、化粧水タイプ、乳液タイプ、クリームタイプといろいろあり悩んでいます。最も界面活性剤が少なく肌に優しいのはどのタイプか、ご存じでしたら教えていただけますと幸いです。

    • ojiyaku より:

      コメントありがとうございます。
      ヘパリン油性クリーム、クリーム、泡状スプレー、スプレー、ローションすべての製剤に界面活性剤は含まれています。界面活性剤の含有量については記載義務がないため確認できません。
      しいてあげるとするならばですが、 ヘパリン類似物質ゲル0.3%、ヒルドイドゲル0.3%などのゲル製剤には界面活性剤の代わりにカルボキシビニルポリマーという安定化剤が含まれています。
      いわゆる化粧品でいうところの「〇〇ゲル」のゲルを構築する製剤です。
      ゲル製剤が「肌に優しいか?」といわれると、人それぞれであるためなんとも言えませんが「いわゆる界面活性剤」が少ない製品は?と言う質問の答えであれば「ゲル」が少ないと私は考えます。
      おじさん薬剤師より

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