国立循環器病研究センターなど5施設で、2018年4月からクレメジンによる心機能改善作用に関する臨床研究が行われます。
研究を開始する背景としては、慢性心不全患者さん8000人のデータ解析をしたところ、腎不全を併発したために「クレメジン」の服用を開始した50人が、他の患者さんと比較して心臓のポンプ機能2~3割改善していたためとしています。
クレメジンが排泄させる毒素は、血中にまじると心機能の低下につながる可能性が示唆されており、クレメジンを服用することで尿毒素などの排泄が促進したために、血中を循環する毒素が減少して心機能が改善した可能性が記されています。
クレメジンで心不全治療の臨床研究開始
対象:腎不全を抱えた慢性心不全患者さん25人
1年間にわたりクレメジンを1日3回服用する、その後1年間は経過観察し、クレメジンの有無による心機能の改善効果を調査する。
研究に先立ち、腎不全を伴わない心不全だけのイヌにクレメジンを与えた結果では、心機能が2倍近く改善する効果が見られたとしていますので、ヒトでの研究結果に期待したいところです。
日本腎臓病薬物療法学会が推奨するクレメジン細粒2gの飲み方
1:フクロオブラートに入れて、開口部をねじって細長くしてから、水に1秒浸して少量の水と一緒に飲む
2:服薬補助ゼリーと一緒に飲む
3:少量の水を入れたコップにクレメジンを入れ、そこに沈んだクレメジンをストローで吸って飲む
クレメジンに関しては2018年1月11日に患者様の服用感改善を考えて「クレメジン速崩錠500mg」という新剤形が発売されました。クレメジン名前の吸着炭を1回に2g飲まなければならないため、とにかく「飲みづらい」という患者様の訴えがありました。
クレメジン速崩錠500mgは、アドヒアランス向上を目的として開発された剤形ですので、調剤薬局勤務の私としては、非常に有用な商品に感じます。
クレメジンで心不全治療の臨床研究開始