抗がん剤「マイトマイシン注用」の原薬製造元である協和発酵バイオ株式会社が、医薬品製造販売承認書、原薬等登記簿と異なる製造方法で医薬品の製造を行い、無菌性の確保に影響しうる事態となったことを受けて自主回収した事例が2019年10月にありましたが、山口県は協和発酵バイオ株式会社に対して以下の行政処分を行いました。
1.医薬品製造業に係る 18 日間の業務停止 (令和元年 12 月 25 日(水曜日)から令和 2 年 1 月 11 日(土曜日)まで)
2.医薬品製造業に係る業務改善命令 業務改善命令の内容 違反に至った原因を究明し、医薬品の製造管理及び品質管理において、以下の事項を含め、医薬品医 療機器等法第 18 条第 2 項の規定に基づく GMP 省令その他関連法令を遵守するよう、組織体制を見直 し、改善のための是正措置及び再発防止策を講じること。
協和発酵バイオ株式会社の防府工場は2018年に米国FDAから警告書を受領し、その検証過程で標準手順書に定められている製造手順が守られて言いない事が判明しています。マイトマイシンについては原薬の無菌性を保つことができないという理由で自主回収が行われておりました。マイトマイシンについては2009年には本来の手順とは異なる製造方法で作られていたことが社内調査から判明していますが、詳細は不明です。
尚、自主回収が行われている製品は「マイトマイシン注用」のみですが、違反が確認された原薬は以下の18品目あり、およそ200のメーカーに原薬供給しているということです。
L-アラニル-L-グルタミン
L-アスパラギン
L-アスパラギン酸
オキシグルタチオン
L-ヒスチジン▽L-イソロイシン
L-ロイシン▽L-リジン酢酸塩
マイトマイシンC
塩化ナトリウム
L-アスパラギナーゼ
L-オルニチンL-アスパラギン酸
オロチン酸
オロチン酸マグネシウム
L-フェニルアラニン
タウリン
L-トリプトファン
L-バリン