陽進堂は「ニザチジン錠150mg「YD」についてモニタリングを実施したところ、製造から30カ月を経過した一部のロットから管理基準(0.32ppm)を超えるNDMA(ニトロソアミン類)が検出されたとして、一部のロットを自主回収することを同ホームページに公開しました。
ニザチジン錠150mg「YD」からニトロソアミン類を検出し自主回収
厚生労働省の生活衛生局監視指導麻薬対策課は、グラクティブ・ジャヌビア・スージャヌの主成分であるシタグリプチンリン酸塩水和物製剤の製造販売業者から、ニトロソアミン類に分類される化学物質が検出された旨の報告があったことを公開しました。
以下に添付します。
シタグリプチンリン酸塩水和物製剤におけるニトロソアミン類の検出への対応について
NTTPは、シタグリプチンリン酸塩水和物製剤の原料又は製造工程中の分解産物がニトロソ化することにより生成すると考えられています。一般的に、ニ
トロソアミン類は発がん性を有する可能性がありますが、NTTPが発がん性を有するかは不明です。NTTP生成の詳細な原因については、現在、製造販売業者のほか、各国の当局が協力し、調査が進められているところです。なお、アメリカ食品医薬品局(FDA)においても、本件についての情報が発表されてい
ます
シタグリプチンリン酸塩水和物製剤を服用している方等への対応について同剤は2型糖尿病治療薬であり、FDAは、現時点で患者が医療の専門家に相
談せずに服用を止めることは危険な可能性があるとして、無治療期間を防止するためにも臨床上適切な場合には同剤の使用継続を推奨しています。
一般的に、血糖降下薬については、服用の中止により様々な併発症のリスクを生じる可能性があります。そのため、医療機関等に対しては、患者自身の自己の
判断のみにより服用を中止しないよう説明いただきたいこと、また、患者からシタグリプチンリン酸塩水和物製剤の服用の継続について照会等があり、他の薬
剤への切り替え等の対応を希望される場合には、他の治療選択肢について医師又は薬剤師に相談していただくことについて周知方お願いいたします。なお、当
該対応については、今後も最新の知見等に基づき、必要に応じて見直しを行うこととしています。
さらに、現在、製造販売業者が追加の非臨床試験の実施について検討するとともに安全性の評価を行っているところであり、結果がまとまり次第お知らせす
る予定です。
WHOは清涼飲料水や食品に広く使用されている人工甘味料「アスパルテーム」んいついて「発がん性の可能性がある物質」という見解を示しました。発がん性のある物質を4段階に分類したうち、アスパルテームはガソリンによる排ガスと同じ分類の下から2番目に指定されました。
アスパルテームの1日当たりの許容摂取量は体重1㎏あたり40ミリグラムに変更はありません。製品の摂取が自動的に健康への影響につながることを示すものではない」として、企業や消費者に冷静な対応を求めています。
上記のような表現をさえると「アスパルテーム」って大丈夫?って思ってしまいます。私たちの身近な食べ物で分類を確認してみるたところ、漬物やアロエベラ、ワラビとアスパルテーム」が同じ分類に入ったことになります。
WHOが定めている分類について私たちの身近な成分を下記します。
人に対して発がん性がある物質
アルコール飲料
ヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)
アルミニウム製造
タバコ入りのキセル
石炭ガス化
石炭(家庭で石炭を燃やした時の室内排出物)
消防士(職業暴露)
B型肝炎、C型肝炎
屋外の大気汚染
加工肉
タバコの喫煙、副流煙
など126種類が該当します。
ヒトに対しておそらく発がん性がある物質
揚げ物
美容師・理容師(職業暴露)
夜勤
赤肉摂取
など95種類
ヒトに対して発がん性がある可能性がある物質
アロエベラ
ディーゼル燃料
ドライクリーニング(職業暴露)
エンジン排気ガス
ガソリン
漬物
わらび
など323種類
ヒトに対する発がん性について分類できない物質
コーヒー
蛍光灯
次亜塩素酸塩
紅茶
塩酸
など500種類以上
ノリトレン錠10mg/25mgを製造している住友ファーマは、ノリトレン錠からニトロソアミン類が検出されたことを受けて、同社の見解を「令和5年度第3回 医薬品等安全対策部会安全対策調査会 」で報告しました。
発生原因
N-ニトロソノルトリプチリンは、原薬中からも検出されておりますが、製剤化後に増加していることから、製剤化各工程において原薬と何らかのニトロソ化剤の反応により生成したと考えられます。
黄色5号中の亜硝酸の残留量は約0.5 ppmであり、分量(0.011 mg/10mg錠)から計算されるN-ニトロソノルトリプチリンの生成量は約0.004 ppmであることから、この添加剤は主原因ではないと考えられます。
今後の対応
ノリトレン錠の使用による健康影響評価の結果を情報提供したうえで、医療現場において他剤への切替え等を検討いただくよう周知します。
ノルトリプチリン製剤は、投与量の急激な減量ないし投与の中止により嘔気、頭痛、倦怠感、易刺
激性、情動不安、睡眠障害等の離脱症状が発現する可能性のあることが知られていることから、医
療現場において他剤への切替え等がされるまでの当面の間は、本剤への患者アクセスを確保する
必要があり、当該製剤の供給を継続する必要があると考えております。
住友ファーマ「ノリトレン錠」から発がん性物質を有する可能性のある「ニトロソアミン類」を検出
厚生労働省は7日に開催する薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会で、抗うつ薬ノルトリプチリン塩酸塩製剤(製品名=住友ファーマの「ノリトレン」)から発がん性を有する可能性のあるニトロソアミン類が検出されたとして、対応について報告する。
検出されたニトロソアミンの種類や健康リスク、対応方針などは、6日時点で公表されていません。
医薬品中に微量の発がん性物質(NDMA)が検出される事例が数件報告されていることを受けて、厚生労働省は「医薬品におけるニトロソアミン類の混入リスクに関する自主点検について」の質疑応答集(Q&A)を都道府県宛てに事務連絡しました。
医薬品におけるニトロソアミン類の混入リスクに関する自主点検について
自主点検通知の対象
化学合成された医療用医薬品、要指導医薬品及び一般用医薬品」は、基本的には合成原薬又は半合成原薬を有効成分とする医薬品を指す。
無機塩類は、今回の自主点検の対象外であるが、製造方法を踏まえ適切に対応すること。
生薬及びその製剤(漢方エキスを含む)は、今回の自主点検の対象外と考えてよい。ただし、化成品原薬と生薬及びその製剤(漢方エキスを含む)の配合剤は、自主点
検の対象である。
などが記されています。
厚生労働省は2020年7月27日、発がん性物質(NDMA)が検出されたために自主回収となったザンタック(ラニチジン)およびアシノンを長期間服用した場合の発番リスクの差について、薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会にて報告を行いました。
ザンタックを2年間服用すると発がんリスクが0.0005%上昇
ザンタック(ラニチジン)を短期間服用した場合と長期間服用した場合の発がん率について、げっ歯類(マウスなど)の発がん性データをもとに評価しています。
ザンタック150mg(ラニチジン)を1日2回、8週間毎日服用した場合の発がん率上昇割合:0.0002%UP(50万人に1人)
ザンタック150mg(ラニチジン)を1日2回、2年間毎日服用した場合の発がん率上昇割合:0.0005%UP(20万人に1人)
ザンタック注射200mgを7日間毎日投与した場合の発がん率上昇割合:0.00000065%UP(1億5千万人に1人)
アシノン150mg(ニザチジン)を1日2回、8週間毎日服用した場合の発がん率上昇割合:0.000004%UP(2500万人に1人)
アシノン150mg(ニザチジン)を1日2回、2年間毎日服用した場合の発がん率上昇割合:0.000018%UP(560万人に1人)
と評価評価しています。
尚、メトホルミン(メトグルコ)服用による発がん物質(NDMA)検出が海外で報告された事例についての国内報告としては、NDMAが原薬からは検出されておらず、製剤のみから検出されていることをうけて、PTPシートに印字されたインクが原因でNDMAが生成された可能性を示唆しています。
それを受けて、PTPシートのインク成分の変更、出荷前に全製剤の分析を行いNDMAのモニタリングを継続する対策を実施しています。
グラクソスミスクラインはザンタック錠・ザンタック注射液について、2019年9月時点では発がん性を示唆する事象は認められていないとしながら、予防的措置として自主回収することを決定しました。自主回収が決定した品番(LOT)についてはグラクソスミスクラインホームページに公開されております。
あくまで予防的措置であり発がん物質が検出されたわけではないとしています。ラニチジン錠を製造販売しているジェネリックメーカーについては、9/27現時点ではグラクソスミスクラインのように自主回収するメーカーは確認されておりません。
厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品安全対策課は2019年9月17日にH2受容体拮抗薬「ラニチジン塩酸塩」(先発品はザンタック)とその類似物質「ニザチジン」(先発品はアシノン)の製造販売業者へむけて、発がん物質の混入していないかどうか分析することを指示しました。
指示をうけた製薬会社は以下の通りです。(ラニチジン・ニザチジンを販売している会社)
グラクソ・スミスクライン株式会社
テバ製薬株式会社
マイラン製薬株式会社
株式会社陽進堂
小林化工株式会社
沢井製薬株式会社
鶴原製薬株式会社
東和薬品株式会社
日医工株式会社
日本ジェネリック株式会社
武田テバファーマ株式会社
ゼリア新薬工業株式会社
田辺三菱製薬株式会社
大原薬品工業株式会社
ニプロ株式会社
欧州医薬品庁(EMA)およびアメリカ食品医薬品局(FDA)においてラニチジン塩酸塩の製造・原薬から微量のN-ニトロソジメチルアミン(NDMA)が検出されたことが発表されたことをうけて、日本国における製造販売業者に対してラニチジン塩酸塩の分析を指示するとともに、予防的措置として、分析結果が明らかになる間はラニチジン塩酸塩の新たな出荷を行わないよう指示をだしました。
N-ニトロソジメチルアミン(NDMA)の含有量基準
NDMAの許容摂取量が 0.0959µg/日であることから、ラニチジンおよびニザチジンの1日最大用量(300mg)から算出して、0.32ppm(百万分率)以下であることが確認できるような検査水準で分析することが求められています。
分析結果が得られる時期の目処を9月30日までに厚生労働省・生活衛生局監視指導・麻薬対策課宛てに報告することとされていますので、品質に問題がなければ通常の流通が再開される見通しです。
ニザチジンについては流通規制はなされておりません。
ラニチジンについては、既に市場に流通している製品の回収を行う必要はない。分析結果が明らかになるまで、ラニチジンの新たな出荷は行わないこと。
とされております。
ラニチジン塩酸塩における発がん物質の検出に対する対応について