慢性閉塞性肺疾患(COPD)における3剤併用(ステロイドあり)と2剤併用の比較データ

慢性閉塞性肺疾患(COPD)における3剤併用(ステロイドあり)と2剤併用の比較データ

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療において、吸入ステロイドを含む3剤併用療法と既存の治療方法である2剤併用療法に関する比較データが公開されました。

使用薬剤
3剤併用群(764人)
キュバール87μg + シーブリー9μg + オーキシス5μg
上記3剤を1日2回吸入

2剤併用群(768人)
オンブレス85μg + シーブリー43μg
上記2剤を1日1回吸入

COPDにおける3剤併用と2剤併用の比較データ(TRIBUTE試験)

治療に際して、開始2週間はどちら群もオンブレス85μg + シーブリー43μgを1日1回吸入することから開始し、その後無作為に3剤併用群または2剤併用群に振り分けれらています。

患者層:前年に1回以上中等度または重度のCOPD症状があり吸入薬を使用していた患者

期間:52週間(7.5か月)継続治療を行い、結果を確認しています。

評価項目:中等度から重度のCOPD症状の増悪率

結果
1年間で1人の患者が中等度から重度のCOPD症状を呈する率

3剤併用群:0.5回(0.45~0.57回)
2剤併用群:0.59回(0.53~0.67回)

3剤併用群の方が2剤併用群に比べて15%ほど発症率が低下しています。

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副作用の程度
3剤併用群:64%(490人)
2剤併用群:67%(516人)

肺炎発症率
3剤併用群:4%(28人)
2剤併用群:4%(27人)

重篤な副作用
3剤併用群:排尿障害1人
2剤併用群:心房細動1人

COPD患者を対象として3剤配合剤(治験コード:PT010)の試験成績(アストラゼネカ)

まとめとして筆者らは
「COPD患者における2剤吸入維持療法を行っているにもかかわらず中等度または重度のCOPD症状を呈している患者ではステロイドを含む3剤併用療法が2剤併用療法よりも重度の悪化率を有意に低下した」
としています。

現在ステロイドを含む3剤吸入薬としてはグラクソスミスクラインが「Trelegyエリプタ」という製品が米国FDAの承認を受けています(2017年9月)。またアストラゼネカも現在治験第三相試験実施しております(治験コード:PT010)

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COPDにおける3剤併用と2剤併用の比較データ(TRIBUTE試験)

ojiyaku

2002年:富山医科薬科大学薬学部卒業