3成分配合COPD治療薬“テリルジー100エリプタ”(Trelegy)が2019年2月22日の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会にて承認されました。
テリルジー100エリプタは3成分が配合されたCOPD治療薬です。
テリルジー100エリプタの承認可否が2019年2月22日に審議
フルチカゾンフランカルボン酸エステル:100μg(ステロイド)
ウメクリジニウム臭化物:62.5μg(抗コリン薬)
ビランテロールトリフェニル酢酸塩:25μg(長時間作用性β2刺激薬)
テリルジー100エリプタはすでに英国・米国で医薬品承認されています。2月の審議会で承認されれば、2019年5月頃には日本国内でも販売開始となるのではないでしょうか。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)における3剤併用(ステロイドあり)と2剤併用の比較データ
IMPACT試験にて3剤配合治療と2剤配合治療を比較した結果が記されています。
COPD患者10355人を対象として52週間(1年間)、3剤配合または2剤配合を吸入し続けた場合の増悪率について評価しています。
しっかり吸入することができる吸入薬の形はブリーズヘラータイプ(ウルティブロ・オンブレス)/吸入器の形と吸入流速を比較する
増悪率
3剤(フルチカ100μg/ウメクリ62.5μg/ビランテ25μg)併用群の増悪率:0.91/年
2剤(フルチカ100μg/ビランテ25μg)併用群の増悪率:1.07/年
2剤(ウメクリ62.5μg/ビランテ25μg)併用群の増悪率:1.21/年
アドエアのジェネリック医薬品Wixela InhubをFDAが承認
重度の増悪により入院した割合
3剤(フルチカ100μg/ウメクリ62.5μg/ビランテ25μg)併用群の増悪率:0.13/年
2剤(フルチカ100μg/ビランテ25μg)併用群の増悪率:0.15/年
2剤(ウメクリ62.5μg/ビランテ25μg)併用群の増悪率:0.19/年
上記の結果より、テリルジー(3剤併用群)は2剤併用群よりも、中等度または重度のCOPD増悪率および入院率を低く保つことができることが示されました。(有意差あり)。
テリルジー100エリプタ = エンクラッセエリプタ + レルベア100エリプタ
テリルジー100エリプタ = アニュイティ100エリプタ + アノーロエリプタ
グラクソスミスクラインから発売されているエリプタ製剤の効能効果を確認してみると、レルベア100には慢性閉塞性肺疾患(COPD)の適応があるものの、レルベア200にはCOPDの適応症はありません。そのためテリルジーは1規格“100エリプタ”のみの発売となります。
米国におけるテリルジー100エリプタの適応症はCOPD患者において
・レルベアエリプタ100を使用中に患者において気管支拡張薬の追加を必要とする場合
・レルベア100およびエンクラッセを併用投与している患者
上記の既存薬を使用している場合において長期維持療法が承認されています。そのため日本国内でテリルジー100エリプタが承認された場合においても、処方の際には既存薬の使用状況を確認する必要があるのかもしれません。(要確認)
テリルジー100エリプタには急性気管支けいれんの緩和や喘息の適応はありません。