追記:2021年6月18日 官報が告示され、薬価が収載されました。
2021年6月18日発売ジェネリック医薬品薬価収載(官報)
追記:2021年6月17日
2021年6月18日(金曜日)にルネスタ・ベシケア・ザクラス配合錠・アレジオン点眼(0.05%)、アイファガン点眼などのジェネリック医薬品が発売開始となります。
サインバルタカプセルのジェネリック医薬品も6月18日に後発医薬品薬価基準追補収載(薬価収載)されるのですが、収載される17社中15社が安定供給に不安があるとして6月18日の発売延期しています。残り2社「アメル(共和薬品)」「YD(陽進堂)」は発売延期を表明していないため6月18日(金曜日)に発売するもとの思われます。
そのため、サインバルタカプセルのジェネリック医薬品を購入したい医療機関はデュロキセチン「アメル」、デュロキセチン「YD」の取り合いとなることが予想されます。運よく初回購入できたとしても、安定供給は難しいことが予想されます。
追加情報として、デュロキセチン「YD」の適応症は先発品と同じ(5つ)であるのに対して、デュロキセチン「アメル」の適応症は3つとなっています。
通例、「6月に薬価収載を受けたGEメーカーは収載から3カ月以内(9月まで)に発売すること」というルールがありますので、デュロキセチンカプセル(錠)に関しては各メーカーが9月までに販売を開始することが予想されます。
AG薬について、ザクラス配合錠のAGとして「ジルムロ配合錠「武田テバ」、アロキシ静注のAGとして「パロノセトロン「タイホウ」が後発医薬品薬価収載基準追補収載(薬価収載)されます。
当初、ベシケア錠/OD錠のAGを発売すると思われていた「日医工」が収載を取りやめたため、ベシケア錠/OD錠のAGは発売されせん。
また、2021年2月時点、単独で承認されていたハラヴェン静注、レバチオ錠、江村パッチ、アゾルガ配合懸濁性点眼のジェネリック医薬品については薬価収載が見送られました(GEは発売されません)
2021年2月15日、厚生労働省は6月に薬価収載となる後発医薬品を承認します。(2021/2/15記載内容)
今回、初めて後発医薬品が発売される成分は12成分です。以下に概要を記します。
先発品のサインバルタには「うつ病・うつ状態」、「糖尿病性神経障害」、「線維筋痛症に伴う疼痛」、「慢性腰痛症に伴う疼痛」、「変形性関節症に伴う疼痛」という5つの適応症を有しています。
デュロキセチン20mg:46.7円(サインバルタ20mg:140.6円)
デュロキセチン30mg:63.1円(サインバルタ30mg:190.1円)
先発品と同じように5つの適応症を有するGEメーカー
「ニプロ」「DSEP」「JG」「KMP」「YD」「オーハラ」「サワイ」「三笠」「日新」「明治」「ケミファ」
「うつ病・うつ状態」「糖尿病性神経障害」「線維筋痛症」という3つの適応症しか承認されていないGEメーカー
「トーワ」「フェルゼン」「タカタ」「アメル」
サインバルタカプセルは年間の売り上げが620億円にものぼるヒット商品であり、17社のGEが承認されました。10社以上が承認されましたので薬価は先発×0.4以下となります。
(先発のサインバルタに新薬創出加算が加算されていた場合は0.4以下となります)
降圧剤の配合錠であるザクラス錠のGEが発売となります。単剤のアジルバ錠に関しては、小児に対する適応症の再審査機関が2021年10月まで残っているため後発品は発売されておりませんので、単剤より先に配合錠のGEが発売される珍しいケースです。ザクラス配合錠のGEは8社が製造承認を取得しました。その中で「武田テバファーマ」がAG薬を発売します。配合錠の製品名は「ジルムロ」となりました。
注)ザクラスの後発医薬品が発売されるのにもかかわらず、単剤の「アジルバ錠」の後発医薬品が発売されない理由
アジルバ錠の承認日は2012年1月18日で、成人に係る用法・用量の設定がなされており、再審査機関が8年と設定されています。小児に係る用法・用量の設定はありませんが、武田薬品からは「当初より1年9カ月延長し、市販後臨床試験の再審査機関を通算2021年10月17日までの9年9カ月とする要望が提出されていることから、2021年6月時点でアジルバ錠のインタビューフォームには「再審査期間中である」という記載がなされております。
再審査期間が終了しなければジェネリック医薬品は発売できませんので、2021年6月の追補に、アジルバ錠が間に合わなかったということになります。
ジルムロ配合錠LD:55.5円(ザクラスLD:110.9円)
ジルムロ配合錠HD:55.5円(ザクラスHD:110.9円)
沢井と東和薬品からはOD錠が発売されます。
ザクラスLD/HD錠の年間売り上げは240億円
ルネスタのGE承認を取得したのは14社です。全社とも1mg、2mg、3mgの承認を取得しています。
エスゾピクロン1mg:17円(ルネスタ1mg:45.6円)
エスゾピクロン2mg:27円(ルネスタ2mg:72.5円)
エスゾピクロン3mg:35.4円(ルネスタ3mg:91.2円)
ベシケアのGE「ソリフェナシンコハク酸塩錠」には8社22品目が承認されました。ベシケア錠はアステラス製薬が販売している商品ですが、日医工はアステラスから特許権受諾したAG薬を発売することを公表しています。
ソリフェナシンコハク酸塩錠2.5mg:38.2円(ベシケア2.5mg:98.7円)
ソリフェナシンコハク酸塩錠5mg:64.7円(ベシケア5mg:167円)
抗アレルギー点眼剤:エピナスチン塩酸塩点眼液0.05%:159.8円/ml)(アレジオン点眼0.05%:339.2円/ml)
緑内障・高眼圧症治療点眼剤:ブリモニジン酒石酸塩点眼液0.1%:185.2円/ml)(アイファガン点眼液0.1%:453.2円/ml)
肺動脈性肺高血圧症治療薬:タダラフィル錠20mgAD:696円(アドシルカ錠20mg:1802.8円)
制吐剤:パロノセトロン静注:5349円(アロキシ静注0.75mg:14764円)(岡山大鵬薬品の製品がAG薬)
制吐剤:パロノセトロン点滴静注バッグ:5472円(/アロキシ点滴静注バッグ0.75mg:14764円)(岡山大鵬薬品の製品がAG薬)
抗がん剤:ハラヴェン静注1mg
肺動脈性肺高血圧症治療薬:レバチオ錠20mg/ODフィルム20mg/懸濁用ドライシロップ900mg
緑内障・高眼圧症治療点眼剤:アゾルガ配合懸濁性点眼液
外用局所麻酔剤:エムラパッチ
私の個人的な感想ですが、2020年7月に再審査機関が終了していた「イーケプラ」が今回のGE発売リストに入るかなあと予想していたのですが、イーケプラは入っておりませんでした。次の追補に持ち越しのよう、少し残念です。
あとは、塩酸リルマザホン混入問題で業務停止処分を受けている小林化工は、今回のGE承認リストに1剤も名前がありませんでした。