おじさん薬剤師の日記

調剤薬局で勤務するおじさんです。お薬のはたらきを患者様へお伝えします

診療報酬改定

調剤基本料について全体的に水準を引き下げる(秋のレビュー2017年11月16日)

投稿日:2017年11月17日 更新日:

調剤基本料について全体的に水準を引き下げる(秋のレビュー2017年11月16日)

 

「調剤技術料」の適正に関して、2017年11月16日、厚生労働省の予算事業を査定する「秋のレビュー」において議論が行われました。

秋のレビューにおいて、行政事業局、厚生労働省がそれぞれの立場から「調剤技術料の在り方」についての考えを公開しました。

 

行政事業局による調剤技術料の改善事項としては

Ⅰ:院内処方と院外処方のコスト差が大きいことから調剤技術料は調剤薬局のどのような機能や付加価値を評価しているものかを明確にすべき

 

Ⅱ:大型チェーンの調剤薬局が利益を増している現状を踏まえ、調剤基本料の設定が適正か議論すべき

 

厚生労働省による調剤技術料の改善事項としては

Ⅰ:院内処方と院外処方で費用が異なるが、院外処方の効果として

1:後発医薬品の使用促進

2:重複投薬・相互作用の防止

調剤薬局の場合薬学管理や服薬指導により上記の効果が期待できる。

 

Ⅱ:いわゆる門前薬局の調剤報酬の適正化

 

Ⅲ:医薬分業の進展と薬剤費比率の推移

 

を公開しています。

有識者会議において院内処方と院外処方における患者さん負担が3倍程度高くなっていることが取り上げられ「3倍の差は患者が納得できる水準ではなく妥当性を欠く」という指摘がなされ、調剤技術料の見直しを求める提案がなされました。

 

さらに、平成26年度診療報酬改定において大手調剤薬局における調剤基本料の引き下げルールが設けられたものの、ふたを開けて見れば9割近くの調剤薬局が

調剤基本料1(410円)

を請求していたことから調剤基本料に関しては「調剤基本料の役割終えている」全体的に水準引き下げを行うべきという意見がでています。

 

秋のレビューでの意見が、次期診療報酬改定に対してどれほど影響を与えるのでしょうか。

 

 

-診療報酬改定
-3倍, 秋のレビュー, 行政事業レビュー, 調剤技術料, 院内処方と院外処方

執筆者:ojiyaku


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

syouhizei

2019年10月改定(案)消費税増税における調剤料増加分

2019年10月の消費税増税分の調剤報酬増加表(案) 2019年10月お消費税増税に伴い、調剤報酬の増加についての改定案が開示されました。(案です) syouhi-zei-10% 調剤基本料(処方箋の …

2018-sinryouhousyu-yakkyoku

2018年度診療報酬改定の調剤薬局への影響:薬価等改定率-1.74%、調剤+0.19%

2018年度診療報酬改定の調剤薬局への影響:薬価等改定率-1.74%、調剤+0.19%   2018年度の厚生労働省予算案についての大臣折衝が行われ、調剤報酬を0.55%引き上げることが決め …

yakureki-next-plan

薬歴に次回の服薬指導計画を記載する

薬歴に次回の服薬指導計画を記載する 平成30年度調剤報酬改定の内容が公開されました。薬歴にかんしては「継続的な薬学的管理・指導等を推進するため、薬剤服用歴の記録に次回の服薬指導の計画を追加する」という …

kakarituke60%

かかりつけ薬剤師を配置している薬局を2022年度までに60%とする

かかりつけ薬剤師を配置している薬局を2022年度までに60%とする   2018年12月10日、経済財政諮問会議において 「新経済・財政再生計画改革工程表2018(原案)」 が開示されました …

tab5

ヒルドイド軟膏の負担金が増額。2024年10月から開始される長期収載品の選定療養の対象1095品目が公開、差額計算エクセルシートあり

2024年10月から開始される長期収載品の選定療養の対象1095品目が公開、差額計算エクセルシートあり 追記:2024年11月20日 選定療養が開始され、ジェネリック医薬品の普及率が拡大しています。 …