おじさん薬剤師の日記

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アンジェスがオーストラリアにて高血圧DNAワクチンの第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験開始

投稿日:2018年5月5日 更新日:

アンジェスがオーストラリアにて高血圧DNAワクチンの第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験開始

 

医療ベンチャー企業「アンジェス」が高血圧DNAワクチンの第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を開始したことを報告しました。

高血圧DNAワクチンとは血圧を上昇させる作用をもつアンジオテンシンⅡに対する抗体(免疫作用によって標的に結合する分子)を体内で作り出すことでアンジオテンシンⅡの働きを抑え、血圧を下げる作用をもつワクチンのことです。医療ベンチャー企業「アンジェス」は大阪大学と共同で高血圧DNAワクチンの特許を出願しており、2016年に米国、2017年に日本で取得していることを公開しています。

高血圧DNAワクチンの特許取得(アンジェス)

オーストラリアにて高血圧DNAワクチンの第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験開始(平成30年4月12日)

 

被験者:軽度から中等度の高血圧患者24例

臨床試験期間:12か月にわたる経過観察

平成30年4月12日に第1例目の投与を開始した

 

高血圧DNAワクチンは1度の投与で長期間にわたって効果が持続することが期待されており、経口高血圧治療薬による「飲み忘れ」を防ぐことができるというメリットがあります。

 

高血圧DNAワクチンの第一例目の投与が行われましたので、有効性・安全性・副作用などの臨床データに関する報告が待たれます。一度の投与で長期間作用が続くタイプのワクチンということは、既存の内服薬による治験のように「副作用がでたから中止」ということはできない分野の治験であるとも言えますので、安全性に関して特に留意する必要がある気がします。

アンジオテンシンⅡ関連の医薬品(ARB、ACE-I)の市場規模を確認してみると(厚生労働省のNDB2より)年間で5400億円ほど市場であることとがわかります。アンジェスが開発を目指している高血圧DNAワクチンが、この市場をどこまで変革できるか非常に期待されるところです。

オーストラリアにて高血圧DNAワクチンの第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験開始

 

-ワクチン, 降圧剤
-アンジェス, オーストラリア, 大阪大学, 治験開始, 特許, 高血圧DNAワクチン

執筆者:ojiyaku


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