おじさん薬剤師の日記

調剤薬局で勤務するおじさんです。お薬のはたらきを患者様へお伝えします

抗うつ薬 抗精神病薬

全般性不安障に対する効き目22剤を比較

投稿日:2019年2月15日 更新日:

全般性不安障に対する効き目22剤を比較

 

成人の全般性不安障害に対する薬剤の効き目について有効性と忍容性(副作用が少なく長く飲み続けることができるか)に関するデータが公開されました。

tab3

tab3

評価指数としてはハミルトン不安評価尺度(HAM-A)が用いられています。ハミルトン不安評価尺度は不安に伴う精神症状・自律神経症・不眠症・認知障害・抑うつ気分といった症状を評価する指標です。スコアが低いと症状が軽減していることを意味します。

被験者:25441人(外来受診)

期間:1944年1月~2017年8月1日

 

結果

 

サインバルタ:-3.13

リリカ:-2.79

イフェクサー:-2.69

レクサプロ:-2.45

 

上記の4品目はハミルトン不安評価尺度の減少および忍容性が高い医薬品と評価されています。

 

リフレックス

ジェイゾロフト

フルオキセチン(国内未承認)

ブスピロン(国内未承認)

アゴメラチン(国内未承認)

 

上記の5品目も有効性・忍容性が高い医薬品でしたが、件数・サンプル数が少ないため評価は限定的でした。

 

セロクエル:-3.60

セロクエル(クエチアピン)は不安を取り除く効果は最大値を示したのですが、プラセボ(偽薬)と比較すると忍容性が低いという評価でした。(セロクエルを飲むと太る・眠くなるなどの副作用を感じたために継続的に飲み続けることができなかったという評価です)

 

パキシルやベンゾジアゼピン系の薬も効き目はあったものの、忍容性が乏しいという評価でした(眠くなる)

全般性不安障に対する効き目22剤を比較

SSRI(パキシル・レクサプロ・ジェイゾロフト)の用量の上限が海外とくらべて少ない理由

神経からくる痛み止め「リリカ」の不安障害に対する効果について

治療抵抗性うつ病患者を対象とした2つの報告

-抗うつ薬, 抗精神病薬
-イフェクサー, サインバルタ, ジェイゾロフト, リリカ, 全般性不安障害, 効き目, 比較

執筆者:ojiyaku


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

関連記事

tablet2

ラミクタール錠のジェネリック医薬品“ラモトリギン錠”5社の添加物比較

ラミクタール錠のジェネリック医薬品“ラモトリギン錠”5社の添加物比較   ラミクタール錠のジェネリック医薬品が2018年6月に5社から発売されます。先発品とジェネリック医薬品との違い・ジェネ …

psychiatric-disorders2

統合失調症・双極性障害・自閉症スペクトラム障害・うつ病における脳内の違いについて

統合失調症・双極性障害・自閉症スペクトラム障害・うつ病における脳内の違いについて   統合失調症(696名)・双極性障害(211名)・自閉症スペクトラム障害(126名)・うつ病(398名)と …

tablet-1

統合失調症治療薬シクレスト舌下錠の特徴と味について

統合失調症治療薬シクレスト舌下錠の特徴と味について 明治製菓ファルマより統合失調症治療薬「シクレスト舌下錠」が発売予定となっています。「舌下錠」という特徴的な剤形となっていますので、今回は、患者さんに …

Zyprexa-Seroquel-gain-fat

ジプレキサ錠が糖尿病を引き起こすメカニズムが解明される

ジプレキサ錠が糖尿病を引き起こすメカニズムが解明される 京都大学の研究チームはジプレキサ錠(オランザピン)を服用することで糖尿病が発症するメカニズムを解明したことを発表しました。 ジプレキサ錠を服用す …

tab7

“禁忌”ではなく“警告” 糖尿病と抗精神病薬エビリファイについて

“禁忌”ではなく“警告” 糖尿病と抗精神病薬エビリファイについて 添付文書の「警告」欄に“死亡例”や“致死的・致命的”といった文言が含まれる内服薬があります。 ・抗癌剤による細胞毒性 ・抗凝固剤・抗血 …