おじさん薬剤師の日記

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小児科 抗てんかん薬

てんかん発作時の頓服薬「ブコラム口腔用液」が医薬品として承認

投稿日:2020年11月11日 更新日:

てんかん発作時の頓服薬「ブコラム口腔用液」が医薬品として承認

2020年11月11日

ブコラム口腔用液が医薬品として承認されました。

効能・効果:てんかん重積状態
薬価:
2.5mg0.5mL1筒 1125.80円
5mg1mL1筒 1977.80円(1日薬価:1977.80円)
7.5mg1.5mL1筒 2750.00円
10mg2mL1筒 3474.60円

てんかんの重積状態は、迅速な治療を行わない場合、長期的な後遺障害に至ることもあり、初期治療が非常に重要となります。武田薬品が製造承認を目指す「ブコラム口腔用液」は、てんかん発作時に口腔内へ投与する液剤で、即効性のある抗てんかん薬です。2014年に静脈投与による“てんかん重積状態に対する治療薬”として承認されており、2020年11月11日に、医薬品として承認されました。

 

今回はブコラム口腔用液について調べてみました。

ブコラム口腔内用液の承認審査(2020/8/27)

ブコラム口腔用液

 

ブコラム口腔用液は、頬粘膜投与型のてんかん発作治療薬で、てんかん発作が生じた時に緊急時に使用する製剤です。海外ではBUCCOLAMという製品名でEU27か国、イギリスなどの33か国で承認され、使用されております。

 

ブコラムの成分である“ミタゾラム”はドルミカムという商品名の注射液があり、病院では催眠・抗不安・抗けいれんなどを目的として使用されている製剤です。即効性・持続静脈投与も可能であり、非常に有益な製剤ですが、これまでは内服薬はありませんでした。

buccoram

buccoram

ブコラム口腔内用液の効き目について

急性期のけいれん発作治療薬として「ジアゼパム(ホリゾン)」という治療薬があります。ブコラム口腔内用液とジアゼパムの直腸投与または静脈内投与を比較した試験結果(被験者:688人の小児)によると、直腸へのジアゼパム投与を受けた場合、10分以内に発作が治まる率が41~85%であったのに対して、ブコラム口腔内用液を投与した場合の発作が治まる率は65~78%でした。

 

また、ブコラム口腔内用液投与後、1時間以内に再発せず、、10分以内に発作兆候が治まる率は56~70%と報告されています。

 

静脈内にジアゼパムを投与した場合と、ブコラム口腔内用液を比較した試験では非常に類似した結果が報告されています。

抗ヒスタミン剤が小児の“熱性けいれん”や“てんかん”を誘発する可能性について

ブコラム口腔内用液の投与方法

液剤をシリンジで全量吸い上げ、歯と頬の間の空間に投与します。場合によっては半量ずつ右と左に分けて、口の両側に分割して投与します。ブコラム腔内用液投与後、10分以内に発作症状が止まらない場合は救急車を呼ぶ必要があります。

-小児科, 抗てんかん薬
-てんかん発作, シリンジ, ブコラム口腔内用液, 効果

執筆者:ojiyaku


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