新型コロナウイルス感染症が2023年春にも5類へ引き下げ(2023/1/19)
2023年1月18日、岸田首相は新型コロナウイルス感染症の位置付けについて、現在の「2類相当」から「5類」に引き下げる方向性で検討を開始しました。
新型コロナウイルスが5類に引き下げとなると、通例では感染者の医療費に対する公費負担がなくなり、ワクチン接種の費用についても季節性インフルエンザワクチンと同様の扱いになることが想定されます。
政府関係者は「医療やワクチン接種への補助を一気になくすわけにはいかない」と指摘し、移行期間を設けた上で段階的に縮小する案を検討しています。
漢方薬が新型コロナ感染後の重症化を抑制(2022/12/5)
新型コロナウイルス感染者の発熱軽減や重症化抑制として葛根湯(1番)と小柴胡湯加桔梗石膏(109番)が有用である可能性が報告されました。
解熱剤や咳止め(通常治療)を行った被験者と比較して、1日3回上記薬剤を服用した被験者では発症から4日以内に回復が早く、酸素吸入を必要とする呼吸不全となるリスクが低減したことが報告されました。
新型コロナウイルス感染の急性期に葛根湯・小柴胡湯加桔梗石膏が有用か?

kakkontou
普通の風邪に感染後、体内にできるIgG抗体で新型コロナウイルスに対するIgG抗体検査で陽性(2022/10/30)
冬場に「普通の風邪をひいた」場合、その30%程度はヒト感冒性コロナウイルスに感染したと言われます。
ヒト感冒性コロナウイルスにはHCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1という4種類の型が報告されております。
今回は普通の風邪(ヒト感冒性コロナウイルスHCoV-HKU1)に感染した後に、新型コロナウイルスの抗体検査を受けると、偽陽性となる割合が結構高いですよ(7例中4例)という国内報告がありましたので下記します。
抗体検査とは、過去に該当ウイルスに感染していたかどうかを判別する検査です。またはワクチン接種後にどれだけ体内で抗体ができているかを判別する指標としても活用できます。
ヒト感冒性コロナウイルス(ヒト感冒性コロナウイルスHCoV-HKU1:一般的に言う「普通の風邪」)に感染して肺炎を患った方7名を対象として、採血を行い、体内のIgG、およびIgG抗体を調べた結果、新型コロナウイルスに対するIgG抗体検査で7例中4例が陽性と表示されました(偽陽性)。IgM抗体検査に関しては7例中1例が陽性と表示されました(偽陽性)
要するに、普通の風邪をひいた後、体内に「普通の風邪に対する抗体」が作られ、「普通の風邪に対する抗体」を持っている人が、新型コロナウイルスに対する抗体反応検査で陽性と判断され、「新型コロナウイルスに感染したことがある」と誤った判断をされてしまうという報告です。
普通の風邪(ヒト感冒コロナウイルス)と呼ばれる4種類の型(HKU1, OC43, NL63, 229E)と新型コロナウイルスは、自身を作っているタンパク質の配列に同じ部分があり、人の体内で作られる「抗体」が、その同じ部分を標的として認識するために「交差反応」を示すと考えられています。
いいのか悪いのかは別として、上記の例がどのように解釈されるかと言いますと、「新型コロナウイルスに対する抗体検査」を行った場合、過去に新型コロナウイルスに感染したことがある人に加えて、過去(3年以内?)に普通の風邪に感染たことがある人のうちの半数程度について、
新型コロナウイルスに対する抗体検査の結果が「陽性」と表示されてしまう=新型コロナウイルスに既に感染したことがある
と判別されてしまうということです。
普通の風邪に感染した後、体内のIgGはどれくらいの期間血液中にとどまっているのか?については完全にはわかっていないのですが、2003年に流行した「SARS-CoV」に関する報告ではSARS-CoVに対するIgG抗体が体内で作られた場合、3年間持続するという報告がありましたので参考程度に記します。
今回の報告を全力で前向きに解釈するのであれば、普通の風邪にかかって風邪が完治した状態といううのは、一定数の抗体が体内にできている状態を意味足します。風邪によって体内にできた抗体が、もしかしたら新型コロナウイルスに対してもある程度ですが、「体をウイルスから守る」効果を示す可能性があるという感じかもしれません。
「抗体検査」に関しては、日本国民がどの程度の抗体を保有しているかについて、厚生労働省が一般住民3000人を対象として検査を実施した例があります。