おじさん薬剤師の日記

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リリカとサインバルタの効き目に関する報告まとめ

投稿日:2019年3月31日 更新日:

リリカとサインバルタの効き目に関する報告まとめ

 

痛み止めとして使用されるリリカ・サインバルタについて、臨床報告をいくつか確認してみました。痛み症状や使用するタイミングによってどちらの薬にも利点があり、効き目には個人差もありますので、どちらが良い悪いということはありませんが、一般的なイメージとして認識できればと思います。

ririka

ririka

リリカが効果的と評価している報告

糖尿病性の末梢神経障害の治療としてリリカまたはサインバルタを12週間服用した際の鎮痛効果・眠気の副作用に関する報告によると

 

サインバルタ:20~120mg(被験者:50人)

リリカ:75~300mg(被験者:52人)

 

を服用した場合に、どちらの群でも有意な鎮痛効果が確認されたが、リリカ服用群はサインバルタ服用群と比較して、服用開始から4週目までの鎮痛効果が迅速(効き目が早い)という特徴があった。(服用初期段階の鎮痛効果はリリカが有効)

 

また、どちらの群も眠気の副作用は出るものの、服用を続けることで眠気の副作用が軽減する度合いはサインバルタと比較して、リリカ服用群の方が改善した。

糖尿病性の末梢神経障害の疼痛患者におけるリリカ・サインバルタ・ガバペンの高価について

サインバルタが効果的と評価している報告

 

慢性腰痛患者におけるサインバルタとリリカなどの効果を比較

慢性腰痛患者さんを対象としてサインバルタ(60mg以下)を服用した群(4542人)と、それ以外の薬(ガバペン:2657人、リリカ:693人、筋弛緩薬:6956人、イフェクサー:314人、三環系抗うつ薬:825人)を服用した群において効果を確認したデータによると、サインバルタ服用群は薬を飲み続ける率が高く(0.78vs0.6)、6か月以内に内服中止となる率が低いことが示されました(中止率:サインバルタ56.7%、それ以外薬:79.7%)

 

また鎮痛効果が得られないためにオピオイドが追加された割合を確認したところ、

サインバルタ服用群におけるオピオイド剤の追加率

短時間作用オピオイド使用率:44.3%

長時間作用型オピオイド使用率:4.2%

 

それ以外の痛み止めにおけるオピオイド剤の追加率

短時間作用オピオイド使用率:59.9%

長時間作用型オピオイド使用率:7.0%

タリージェ錠とリリカカプセルとの比較データ(対象:糖尿病性末梢神経障害性疼痛)

 

上記の結果より、サインバルタ服用群は追加でオピオイド剤を使用する率が低く、コンプライアンスも良好な医薬品であることが示唆されました。

慢性腰痛患者におけるサインバルタとそれ以外の薬についての報告

サインバルタとリリカの術後疼痛緩和および眠気について

腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けた94人(18~65歳)について、リリカ・サインバルタ・プラセボ(偽薬)を術前・術後に服用した際の鎮痛効果についての報告によると

 

リリカ服用群

術前1時間前、術後12時間後、24時間後にリリカ75mgを服用

 

サインバルタ服用群

術前1時間前、24時間後にサインバルタ60mgを服用(術後12時間後にはプラセボを服用)

 

プラセボ群

術前1時間前、術後12時間後、24時間後にプラセボを服用

結果

術後疼痛に関しては、リリカ・サインバルタともに同等の鎮痛効果が確認された。服用後の認知機能の低下(眠気など)では

リリカ群:1.83点低下

サインバルタ群:1.16点低下

プラセボ群:0.49点低下

と報告されており(MoCAスコアの低下)、サインバルタはリリカと比較して、認知機能に関する影響を緩和しながら術後の疼痛管理を行うことができる

腰椎椎間板ヘルニアの術後疼痛におけるリリカ・サインバルタの効果

サインバルタとリリカの維持量について

糖尿病性末梢障害性疼痛患者においてサインバルタまたはリリカを1年間継続服用した場合の維持量に関する報告としては

サインバルタ群の平均服用量の変化:初期値54.3mg→55.2mg

リリカ服用群の平均服用量の変化:初期171.8mg→264.3mgへ増量

 

リリカ群における12か月後の平均服用量に関しては有意な増量が確認されました。

サインバルタとリリカの維持量変化

糖尿病性末梢神経障害の疼痛治療におけるサインバルタ・低用量リリカの比較

糖尿病性末梢神経障害の疼痛治療として

 

サインバルタ53.9mg(1日平均投与量)飲んだ群

リリカ173.5mg(1日平均投与量)を飲んだ群

ガバペン727.8mg(1日平均投与量)を飲んだ群

における6か月間の痛みの軽減度合いを確認したデータによると

 

サインバルタ群:2.3ポイント減少

リリカ群:1.9ポイント減少

ガバペン群:1.1ポイント減少

という鎮痛効果が報告されています(BPI疼痛重症度の減少度合い):有意差あり

 

糖尿病性の末梢神経障害の6か月間の治療成績としてはサインバルタ60mgを服用することは低用量のリリカ(173mg)を服用することよりも、鎮痛効果が期待される

サインバルタと低用量リリカの比較

サインバルタカプセルに「慢性腰痛症」の適応症が追加となる(サインバルタの鎮痛作用について)

参考になるかどうかはわかりませんが、サインバルタを販売しているイーライリリーが公開したデータとしては

サインバルタ60mgを4週間服用するとBPI-MSFという痛みスコアが1.76減少するのに対して、リリカ300mgを服用した群では1.4しか減少しなかった。8週間後の鎮痛効果としては、サインバルタ60mg服用群で2.2程度の減少が確認されたが、リリカ300mg服用群では1.6程度の減少であった。といった感じのデータを公開しています。

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-サインバルタ, リリカ, 末梢神経障害, 比較, 痛み止め, 眠気

執筆者:ojiyaku


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