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モーラスパップXR120mg/240mgの皮膚刺激低減製品を開発(久光)

モーラスパップXR120mg/240mgの皮膚刺激低減製品を開発(久光)

久光製薬は2020年7月18日、モーラスパップXR120mg/240mgにおける貼付部位の皮膚刺激に関する副作用報告を考慮し、皮膚刺激低減を期待して、既存の添加剤の配合量を調節した新しい製品の開発を公開しました。

モーラスパップXR120mgの皮膚刺激低減製品開発

新製品は2020年度中の承認取得を目指いしています。

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モーラスパップXR240mgが発売される経緯と既存のケトプロフェンテープとの比較

2016年12月にモーラスパップXR240mgの製造販売が承認されました。製造元の久光製薬へ確認したところ、発売日は2017年以降になるとのことです。

 

モーラスパップXR240mgの開発経緯
既存のモーラスパップには
「10cm × 14cm」と「20cm × 14cm」という2つの規格があり、「20cm × 14cm」の規格は腰などの広い患部に多く使用されている実態があります。このことから、広い患部を1枚で覆うことができるサイズであり、かつ1日1回貼付「腰痛症」の効能・効果を有するモーラスパップXRの需要があるという見解のもとに開発されました。

モーラステープは1日何枚まで貼ることができるのか

モーラスパップXR240mgは、現在使用されているモーラスパップXR120mgの倍の大きさで、それ以外は製剤特性的に変わりありません。

ロキソニテープは何枚まで貼ることができるのか

製造元へ確認したところ、モーラスパップXR240mgを切って貼るということは想定していませんが、医師の指示のもとに切って貼っても問題はないそうです。切った断面から湿布の成分(膏体中に含まれる主成分)がにじみ出て、どうこうなるということはないそうです。

薬価を確認してみると
モーラスパップXR120mgの薬価が1枚あたり40.2円
モーラスパップXR240mgの薬価が1枚あたり61.5円

カイロと湿布の併用について

ですので、XR240mgを半分に切って使用するとXR120mgを30.7円程度で購入したことになります。患者様としては半分に切るという手間がある反面、お得感があるかもしれません。

 

販売元の久光製薬学術が「半分に切ることを想定していない」と回答した裏には1枚あたりの利益が下がるために、「素直に容認できない」という背景にあるのかもしれません。

湿布薬の処方70枚制限という現状では、大きな湿布(パップ剤)を70枚処方してもらって、適当なサイズにカットして使うということは実態に即した対処の1つかもしれません。

モーラスパップXR120mgを1日1回腰に2枚貼る場合は1日あたりのコストは
40.2×2=80.4円
モーラスパップXR240mgを1日1回腰に1枚貼る場合の1日あたりのコストは
61.5×1=61.5円
効果が同じでモーラスパップXR240mgの方が割安です。

モーラステープは1日何枚まで貼ることができるのか

 

モーラスパップ60mgには腰痛症の適応はありませんが、仮に「腰の筋肉痛」のために添付文書通りの使用方法で貼付したとすると

モーラスパップ60mg(33.6円)を1日2回貼ると67.2円
モーラステープL40mg(40.1円)を1日1回2枚貼ると80.2円
後発品のケトプロフェンパップ60mg(19.3円)を1日2回貼ると38.6円
後発品のケトプロフェンテープ40mg(16.8円)を1日1回2枚貼ると33.6円
モーラスパップXR240mg(61.5円)を1日1回貼ると61.5円

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1日2回タイプのパップ剤と1日1回タイプのモーラスパップXR240について、効果を加味して価格を単純比較することは難しいかとは思いますが、添付文書上の使用方法で比較すると、このような金額になります。

私のイメージとしてはモーラスパップXR120mgを広い患部に使用している患者様や、モーラスパップXR120mgを愛用していて湿布を自分でカットすることが苦ではない患者様にとっては、モーラスパップXR240mgは有用な貼り薬だと思います。

 

ロフェン製剤のテープ剤には、20cm×14cmという規格はありません。モーラスパップXR240mgはテープ剤と同様に1日1回の貼付で24時間鎮痛作用が持続するという特性がありますので、腰にケトプロフェンテープを2枚貼るのと同じ効果を十分に得ることができます。

モーラステープをはがすタイミングについて

ojiyaku

2002年:富山医科薬科大学薬学部卒業