デパスのジェネリックについてオススメを薬物動態から見る

デパスのジェネリックについてオススメを薬物動態から見る

 

神経症やうつ症状による不安・不眠を改善するための安定剤として処方される“デパス錠”のジェネリック医薬品について、先発医薬品との効き目(薬物動態)比較データを作成しました。患者様からデパスとジェネリックとの比較、ジェネリックとジェネリックの比較データに関するご質問をいただいた際に活用できればと思います。

トリアゾラム錠(ハルシオンのジェネリック)について効き目(薬物動態)を比較する

ジェネリック医薬品について

 

ジェネリック医薬品は先発品の薬物動態(AUC、Cmax)と比較して80~125%の効果があれば製造許可が得られます。私としては可能なかぎり先発の薬物動態に近いジェネリック医薬品が理想だなぁと感じます。エチゾラム錠を安定剤として使用する場合、日中の効果持続時間が安定していること(T1/2が適切であること)が一つのポイントになるかなぁと感じます。

 

一般的なジェネリック医薬品の説明としては「主成分が同じで添加物が異なる製品です」という感じで記されていることが多いのですが、デパスのジェネリック医薬品について考えると、ゴクンと飲んでからの「効くまでの時間」、「持続時間」といった具体的な薬物動態を患者様へお伝えできると、より良い気がします。

デパス錠とエチゾラム錠と比較データ

 

以下にデパス錠とエチゾラム錠に関する薬物動態の比較表(エクセル)を添付いたします。どの製剤も体に取り込まれる薬物量(AUC)は先発と比較して95~105%程度の値を示しているため、どの製品も非常に均整のとれた製品となっています。効き目の早さ(Cmax)に関しても93~107%程度の値を示しており、製剤間の差は10%程度であることがわかります。

データの見方

先発品の薬物動態(AUC、Cmax、Tmax、T1/2)に対する後発品の薬物動態をパーセンテージで表示しています。

 

AUC比:デパスと比較してジェネリック医薬品がどの程度体に取り込まれるか

 

Cmax比:効き目のピーク時の高さ

 

Tmax:薬の効き目の早さ(値が小さいほど効き目が早い)

 

T1/2:薬が消失されるまでの早さ(値が小さいほど早く消失する)

 

各メーカーから販売されているエチゾラム錠の中でデパス錠と比較した時に特徴がある製品について見てみます。

・効き目が早いタイプ

デパスと比較してTmaxが10%以上低い=早く効く

と解釈した場合、以下の2品目が効き目が早いタイプのジェネリックと解釈できるかもしれません。頓服として使用する薬としては有用に感じます。

 

エチゾラム錠0.5mg「EMEC」

エチゾラム錠0.5mg「日医工」

ブロチゾラム錠(レンドルミンのジェネリック)について効き目(薬物動態)を比較する

・効き目が長く続くタイプ

デパスと比較してT1/2が大きく、AUCも大きい製剤=長く効く

tab7

と解釈した場合、以下の品目は効き目が長いタイプのジェネリックと解釈できるかもしれません。(いずれもT1/2がデパスと比較して10%ほど大きい品目です)1日数回定期服用している方には有用な製剤に感じます。

 

エチゾラム錠0.5mg「日医工」

エチゾラム錠0.5mg「フジナガ」

エチゾラム錠1mg「フジナガ」

エチゾラム錠0.5mg「クニヒロ」

デパス・リーゼ・ソラナックス・ワイパックス・レキソタンの安定剤として効き目を薬物動態から考える

 

・効き目がマイルドである可能性がある

AUCが低く、Cmaxも低い、Tmaxが高く(効き目が遅く)、T1/2が低い(消失が早い)という特徴を有するジェネリックは先発よりも効き目がマイルドと感じる方がおられるかもしれません。以下の品目が該当します。

注:10%程度の誤差は主観に依存することが多いので、そこまで気にかけることもないと思います。

セディール錠(タンドスピロン錠)のパーシャルアゴニストとしての特徴とSSRIとの併用について

エチゾラム錠1mg「SW」

エチゾラム錠1mg「日医工」

エチゾラム錠0.25mg「JG」

(いずれも誤差は5~15%ほどです)

 

注:データはすべて添付文書に記されている薬物動態をもとに作成しておりますので、効果に関しては個人差があることをご了承ください。

まとめ

デパスからジェネリック医薬品への変更やジェネリックからジェネリックへの変更を行う場合、各ジェネリックの薬物動態(「効くまでの時間」・「持続時間」)を頭にいれておくと、患者様のお力になれるのかもしれません。

 

ojiyaku

2002年:富山医科薬科大学薬学部卒業