2020年度診療報酬改定を見据えた財務省案開示2019年11月1日
2019年11月1日、財務省のホームページに社会保障に関する”医療制度改革の基本的な考え方”が開示されました。2020年度の診療報酬改定を見据えて”財務省ならではの案”がいくつか記されていましたので、下記します。
・医療費の伸び:過去10年間で平均2.4%/年の割合で増加している。高齢化等の要因による増加率は1.1%/年であり、残り1.3%は”新薬の保険収載”、”医師数・医療機関数の増加”、”診療報酬改定”などが要因と考えられる
~国民皆保険を維持するため検討課題~
・病院受診時定額負担の導入
・薬剤自己負担の引き上げ
リスクに応じた自己負担や市販薬と医療用医薬品とのばれバランスといった観点を踏まえ、OTC医薬品と同一有効成分を含む医療用医薬品に対する保険給付の在り方の見直し・薬剤の種類に応じた自己負担割合の設定・薬剤費の一定額までの全額自己負担をけんとうすべき
・経済性の面からの評価も踏まえた保険収載等のありかた
・保険外併用療養費の更なる活用
・診療報酬改の合理化・適正化
これまでの収益の動向なども踏まえれば、特に2020年度改定においては、病院(救急対応等)と診療 所の間で改定率に差を設けることなど、予算編成過程において大枠を決めるべき。
対物業務から対人業務への転換が求められる中で、調剤基本料、調剤料及び薬学管理料のウエイトは ここ10年でほとんど変化がなく、調剤料に依存した収益構造は依然として継続。
薬剤師の業務を対物業務から対人業務中心へシフトさせていく中で、全体として水準を下げつつ、調剤 基本料、調剤料及び薬学管理料といった調剤報酬全体の在り方について見直しを行っていくべき。特に、 調剤料については、剤数や日数に比例した算定方法を適正化し大胆に縮減すべき
・地域医療構想の推進
・薬価制度抜本改革における残された課題への取り組み
・75歳以上の窓口負担割合について70~74歳時と同じ2割の維持
新たに75歳になる者から70~74歳時と同じ2割の維持(現在1割負担となっている者の負担の 引上げではない)
・ 「現役並み所得」の判定基準の見直し