病院から処方される風邪薬が保険適応外?
2019年11月26日に行われた全世代型社会保障検討会議(第4回)が行われました。その議事録を読んでみたところ、「市販品類似薬については保険給付範囲の見直し」に関する話題が記されておりました。
本来、軽微なものについては、例えば市販品類似薬の保険給付範囲の見直しや、効果の小さい薬剤など、個別項目の給付率調整なども検討してはいかがかと思っております。給付率調整ができれば、例えば門前薬局の調剤報酬の給付率を下げて、患者の行動を変えるということも可能になると考えております。
上記は全世代型社会保障検討会議における翁議員が述べた内容です。
この報告を受けて政府は2019年11月30日、全世代型社会保障会議の一環として、市販の医薬品と同じような効果があり代替が可能な薬(市販類似薬)について、公的医療保険の対象が除外する方向で政府は調整に入ったと報じられました。
健康保険組合連合会の試算によると、市販薬で代替可能な薬剤費は年間で2126億円に上ると試算されています。
保険除外の対象として想定しているのは風邪薬・花粉症治療薬・湿布薬・皮膚保湿剤・漢方薬などの軽症薬と記されていますが、具体的な医薬品名については言及されておりません。
市販類似薬の保険除外については、以前から財務省が考える医療費抑制策案に盛り込まれておりましたが、その都度、医師会が反発して財務省案が棄却されてきた経緯がありました。
しかし今回の報道では、「政府は市販類似薬の公費医療保険の対象から除外する方向で調整にはいった」とされておりますので、これまでのような「案」ではありません。
医師会は「軽微な症状での受診を控えることにより、重症化する恐れがある」「重篤な疾患だけを保険給付の対象とすれば社会保険の恩恵が薄れる」などと反発しておりますが、この反発によって、どこまで政府の調整幅に含みをもたせることができるのかがポイントになってくるかと思います。
患者様としては、これまで通り病院で風邪薬や湿布薬が1~3割負担で給付対象となるか非常に気になるところかと思います。12月中旬にまとめられる全世代型社会保障検討会議の中間報告に注目が集まるところです