2020年度診療報酬改定にむけた薬局のあり方(経済財政諮問会議での有識者資料)
2020年度診療報酬改定にむけて2019年4月10日に経済財政諮問会議が行われました。その中で、「社会保障制度改革」と題した有識者議員提出資料の中に調剤薬局関連の話題が記されていましたので記載いたします。
2020年度診療報酬改定に向けて
調剤報酬については引き続き課題が残っており、大胆な改革の推進が必要。また、「国民皆保険の持続性」と「イノベーションの推進」の両立の観点から、薬価制度の抜本改革を推進すべき。
・ 薬局数は依然として増加を続けているが、大きな原因は院内・院外の調剤報酬の内外価格差である。調剤料などの技術料やかかりつけ薬局、健康サポート薬局といった制度については、その効果や意義を改めて検証し、正当性が疑われる場合、報酬を大胆に適正化すべき。
・ 薬剤の適正使用等に向けて、病状が安定している患者等に対するリフィル処方の推進を引き続き検討すべき。
・ イノベーションを推進するとともに医薬品産業を高い創薬力を持つ産業構造に転換する観点から、長期収載品の価格引下げまでの期間の在り方等、前回の薬価改定で積み残した課題について検討を行い、結論を得るべき。
2021 年度から実施する毎年薬価調査・毎年薬価改定の対象範囲の決定、医薬品等の費用対効果の実施範囲・規模の拡大、新薬創出等加算対象品目を比較薬とする場合の薬価算定の見直し等も検討課題。
かかりつけ薬局は患者の服薬情報の一元的・継続的把握、24 時間対応・在宅対応等の機能を有する薬局(かかりつけ薬局の数は 26,222 で全体の約 45%(2016 年度))。
健康サポート薬局はかかりつけ機能に加え、医薬品等に関する地域住民への助言、健康相談、関係機関の紹介等の機能を有する薬局で、薬局数は 1,275店舗(2019 年2月末現在)。
・ 2020 年9月までの後発医薬品使用割合 80%の実現に向け、インセンティブを強化すべき。
2017 年度の後発医薬品の使用割合は全体で 73.0%となる中で、後期高齢者医療制度では 70.7%、外皮用薬の使用割合は 43.5%にとどまっている。
健保組合・共済の総合評価のうち、アウトカム指標(特定保健指導の対象者の割合の減少、後発医薬品の使用割合の水準・上昇幅)の配点割合は 16%にとどまっている。