2026年2月薬局での販売が解禁!緊急避妊薬ノルレボの薬理作用と取り扱い店舗一覧をエクセルファイルで公開(ダウンロード可能)
2026年2月2日より、ついに日本でも緊急避妊薬が処方箋なしで薬局で購入できるようになります。これまで「アフターピル」として知られながらも、入手には高いハードルがあったこの薬。私たちの健康を守る選択肢として、その仕組みや効果、注意点を詳しく解説します。
緊急避妊薬の取り扱い店舗一覧をエクセルファイルで作成しました。必要な方は以下からダウンロードしてください。(都道府県順・都道府県に取扱店が何店舗あるか記載しています)
緊急避妊薬レボノルゲストレル(ノルレボ)とは?
緊急避妊薬として承認されている成分はレボノルゲストレル(商品名:ノルレボ)です。これは、避妊に失敗した際や性暴力被害にあった際など、妊娠を望まない場合に緊急的に服用するお薬です。
日本では2011年に初めて承認されましたが、長らく医師の処方箋が必要でした。しかし、WHO(世界保健機関)が「必須医薬品」に指定し、世界約90カ国で市販化されている背景を受け、日本でもようやく「要指導医薬品」として薬局での直接販売が実現することになりました。
薬の仕組み:排卵のコントロール
なぜ、たった1錠の服用で妊娠を防ぐことができるのでしょうか。その鍵は「ホルモンと受容体」の関係にあります。
私たちの体の中では、特定の細胞にあるに、特定のホルモンが結合することで、さまざまな指令が伝わります。
レボノルゲストレル(ノルレボ)は、天然の女性ホルモンであるプロゲステロン(黄体ホルモン)に非常によく似た構造を持つ「合成黄体ホルモン」です。この薬が体内に入ると、脳や卵巣にあるプロゲステロン受容体に強力に結合します。
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排卵の抑制・遅延: 脳が「すでに十分な黄体ホルモンがある」と判断し、排卵を促すホルモン(LH)の急上昇(LHサージ)を抑えます。これにより、排卵そのものをストップさせたり、数日間遅らせたりします。
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受精の阻害: 子宮頸管の粘液を変化させ、精子が子宮内に入りにくくする効果も期待されます。
このように、排卵をコントロールすることで、精子と卵子が出会うのを防ぐのが主なメカニズムです。
臨床データが示す「時間」の重要性
緊急避妊薬は、服用までの時間が早ければ早いほど、その効果を発揮します。臨床データによると、性交後の経過時間による妊娠阻止率は以下の通りです。
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24時間以内:95%
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48時間以内:85%
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72時間以内:58%
このように、72時間を過ぎると効果は著しく低下します。薬理学的には、服用後約1.6時間で血中濃度がピークに達し、効果が発動し始めます。効果の持続時間は、成分の半分が排出される「半減期」で約20〜30時間程度です。
開発の経緯:既存治療「ヤッペ法」との違いと有意性
かつて緊急避妊には「ヤッペ法」と呼ばれる方法が使われていました。これは中用量ピルを2回に分けて服用するものでしたが、レボノルゲストレル(ノルレボ)の登場により、大きな進化を遂げました。
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副作用の軽減: ヤッペ法はエストロゲン(卵胞ホルモン)を含むため、激しい吐き気や嘔吐が頻発しました。レボノルゲストレルは黄体ホルモン単剤であるため、副作用が大幅に軽減されています。
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利便性と確実性: ヤッペ法が12時間あけて2回服用する必要があったのに対し、レボノルゲストレルは1回1錠の服用で済むため、飲み忘れのリスクがなく、より確実に効果を得られます。
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高い成功率: 臨床試験においても、レボノルゲストレルはヤッペ法に比べて有意に高い妊娠阻止率を示すことが確認されています。
使用前に知っておきたい副作用
レボノルゲストレル(ノルレボ)は安全性の高い薬ですが、一時的な副作用が現れることがあります。
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主な副作用: 消退出血(数日後の出血)、不正子宮出血、吐き気、倦怠感、頭痛、乳房の張りなど。
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注意点: 服用後2時間以内に嘔吐してしまった場合は、成分が十分に吸収されていない可能性があるため、再度服用を検討する必要があります。その際は速やかに薬剤師に相談してください。
また、この薬は「すでに成立した妊娠」を中断させる効果(中絶効果)はありません。あくまで排卵を抑えて受精を防ぐためのものです。
まとめ
2026年2月2日から始まる緊急避妊薬レボノルゲストレル(商品名:ノルレボ)の薬局販売は、女性のヘルスリテラシーと自己決定権を支える大きな一歩です。
プロゲステロン受容体に働きかけ、排卵を遅らせることで妊娠を防ぐこの薬は、性交後24時間以内の服用で95%という高い阻止率を誇ります。しかし、時間が経つほど効果は薄れるため、「できるだけ早く」入手することが肝心です。
薬局で購入する際は、研修を受けた薬剤師による対面での説明と服用確認が必要となります。
販売開始は令和8年2月2日(月)の予定です。特に、市販化直後においては、販売を求める際は、在庫や販売可能な薬剤師の勤務状況等の確認のため、あらかじめ、当該薬局等に電話連絡することを推奨します。
緊急避妊薬(アフターピル)を20201年から薬局で購入可能に
2020年10月7日、政府は性交後72時間以内に服用すれば高確率で妊娠を避けられる緊急避妊薬(アフターピル)の販売を、医師の処方箋がなくても薬局で購入できるようにする方針を固めました。
(緊急避妊薬は性交後72時か以内の服用により高い確率で臨まない妊娠を防ぐことが可能です。より早いタイミングで服用したほうが効果高い)
背景として、性暴力・性犯罪など、望まない妊娠を防ぐことが目的です。
欧州やアジアなど世界86か国で医師の診察なしで購入することができ、日本は国際的な遅れが指摘されていました。
2020年10月8日に開かれた内閣府の「第5次男女共同参画基本計画の策定に当たっての基本的な考え方(案)」が提示され、緊急避妊薬に関する研修を受けた薬剤師が、対面で緊急避妊薬を服用させることを条件に処方箋なし購入できるよう検討する旨が記載されました。
京都大学SPH薬局情報グループから「薬局薬剤師向けの緊急避妊薬学習ツール」が公開されました。


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