CDI感染症に対する糞便移植の効果について
クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI感染症)は入院中に抗菌薬などを使用することにより消化管内の細菌叢が攪乱され、発症する感染症と言われています。症状は下痢や腹痛が多いですが、発熱や白血球増加を伴うこともあります。
米国消化器病学会の報告によると、CDI感染症には糞便微生物叢の移植で施工1か月後の治療率90%に達し、安全性も良好であることが報告されました。
2017年12月~2019年9月の期間で糞便移植を行った被験者222例のうち200例でCIDの治療が確認され、197例では1回の糞便移植のみで治癒に至っています。
さらに、治療が確認された被験者112例について、6か月後の経過観察でもCIDを再発していたのは4例だけでした。
糞便移植による副作用は下痢が5例(2%)、腹痛が4例(2%)。
6か月後の時点で、新規に過敏性腸症候群または炎症性腸疾患と診断された患者は2例(1%)でした。
糞便移植に関しては、糞便バンクドナーの便を使用して大腸内視鏡まてゃあ上部消化管内視鏡を用いて行われています。