FDAが心疾患患者へのクラリスロマイシン使用に注意喚起
米国食品医薬品局(FDA)は「抗生物質クラリスロマイシンを心疾患患者へ処方する際は、心疾患リスクの増悪または死亡に関してのリスクが増加すること処方前に考慮すること」という注意喚起を公開しました。
心疾患患者へのクラリスロマイシン投与に関する注意喚起の裏付けとして、FDAはデンマークで行われたCLARICOR試験を挙げています。冠動脈疾患患者を対象としたこの試験では2週間のクラリスロマイシン治療をうけた群が、プラセボ群に比して1年以降の死亡リスクが上昇するという結果となっています。
クラリスロマイシン投与による死亡率の増加に関して原因はわかっておりません。
FDAは医師に対して
「心疾患患者へのクラリスロマイシン投与に関してはリスクとベネフィットを考慮すること。心疾患患者にクラリスロマイシンを投与する際は、心血管で生じる可能性がある問題についての徴候や症状を事前に説明すること」
を記しています。
患者に対しては
「抗菌薬が処方された際は、医師に心疾患があることを伝えること。抗菌薬使用中に胸の痛み・息切れ・脱力感などの症状を感じた際は病院を受診すること」
を記しています。
尚、心臓病を患っていない患者でのクラリスロマイシンの治療に関しては、長期間の安全性に関する試験結果はないため、CLARICOR試験の結果を心臓疾患のない患者に適用できるかどうかについては判断できないとしています。