おじさん薬剤師の日記

調剤薬局で勤務するおじさんです。お薬のはたらきを患者様へお伝えします

FDA承認 治験 糖尿病

経口GLP-1受容体作動薬リベルサス錠が新薬承認

投稿日:

経口GLP-1受容体作動薬リベルサス錠が新薬承認

追記:2020年6月2日

インスリン製剤早見表(2020-2021)

インスリン製剤・DPP-4阻害薬・SGLT2阻害薬・GLP-1受容体作動薬の製品の外観の特徴がひとめでわかる「インスリン製剤早見表(2020-2021)が公開されました。

インスリン製剤早見表(2020-2021)

2020年5月29日の厚生労働省薬食審・医薬品第一部会にて経口GLP-1受容体作動薬リベルサス(セマグルチド)が新薬として承認することが了承されました。

(正確には2020年6月以降に正式承認となる見通しです)

 

リベルサス錠(3mg/7mg/14mg)

1日1回タイプの経口投与GLP-1受容体作動薬です。

効能効果:2型糖尿病

1日1回3mgからスタートし、4週間以上投与した後、1日1回7mgへ増量します。(7mgが維持用量です)。その後、1日1回7mgを4週間以上投与しても効果が不十分な場合には、1日1回14mgまで増量可能です。

 

リベルサス錠の服用にあたっての注意点

リベルサス錠には「サルカプロザートナトリウム」と呼ばれる吸収促進剤が含有されており、この成分が胃のおけるリベルサス錠の吸収を促進する作用があり、リベルサス錠の効き目に寄与しています。(GLP-1受容体作動薬が経口投与可能となった理由です)そのため、リベルサス錠は空腹時に服用し、その後すぐには食べ物を食べないようにすることと添付文書に記載することとなりました。

 

糖尿病治療薬オゼンピック皮下注の飲み薬バージョン“経口セマグルチド”を承認申請(2019年7月29日)

2019年7月29日追記

ノボノルディスクファーマが日本国内において、経口セマグルチドを2型糖尿病治療薬として承認申請したことを公開しました。

経口セマグルチドを国内で承認申請

日本人約1300人を含む9543人の成人2型糖尿病患者が参加したグローバル臨床開発プログラムによると、経口セマグルチドを単独、血糖降下剤との併用、またはインスリンとの併用で投与した結果、十分なHbA1cの低下が確認され、良好な忍容性を示したと報告されています。

高頻度で認められた有害事象:胃腸障害関連

経口セマグルチド製剤について

セマグルチドは生体内で分泌されるホルモンであるGLP-1のアナログであり、経口セマグルチドはサルカプロザートナトリウム(SNAC)と呼ばれる吸収促進剤を含んだ製剤となっています。サルカプロザートナトリウムは胃におけるセマグルチドの吸収を促進する作用があり、セマグルチドの生物学的利用能(バイオアベイラビリティ)を高めて、効果的な経口投与を可能にしています。

 

糖尿病治療薬の一つGLP-1受容体作動薬は注射製剤しかありませんが、その中のひとつオゼンピック皮下注の飲み薬バージョン“経口セマグルチド”について第Ⅲa相臨床試験において有益な報告が確認されております。

注意)オゼンピック皮下注の一般名称は“セマグルチド”です。

 

(現在、経口セマグルチドに関しては、米国FDA、欧州EMA、カナダ保健省で承認審査中であり、2019年6月時点で医薬品登録されている国はありません)

 

注射剤のオゼンピック皮下注は週に1回0.5mg(または1mg)を皮下注射する用法となっておりますが、経口セマグルチド1日1回セマグルチド錠14mgを朝食前(起床時、空腹状態で食前30分前に服用)に120mlの水で飲むという用法となっています(副作用が生じた場合は減量)。

 

以下に経口セマグルチドとプラセボ(偽薬)を使用した第Ⅲa相臨床試験の概要を記します。

 

経口セマグルチドの第三相臨床試験データ

被験者:2型糖尿病患者さん

試験期間中央値:15.9カ月

患者さんの役75%が1年以上にわたり経口セマグルチドを服用したデータです。

経口セマグルチド服用群:1591人

プラセボ(偽薬)服用群:1592人

oral-semaglutide

oral-semaglutide

62週間服用後の有効性

HbA1c

経口セマグルチド服用群:約7.0%

プラセボ(偽薬)服用群:約7.9%

 

体重

経口セマグルチド服用群:約90kg

プラセボ(偽薬)服用群:約94kg

 

また、収縮期血圧および低密度リポタンパク質、トリグリセリド値は経口セマグルチド服用群の方がプラセボよりもやや低い結果となっています。経口セマグルチドの服用群が体重減少・HbA1c減少を減少させていることが示されました。この結果はオゼンピック皮下注の(皮下投与)での結果と一致しています。

2型糖尿病治療薬“グルコキナーゼ活性化薬”の効果について

心血管死・非致死性心筋梗塞・非致死性脳卒中の複合リスク

経口セマグルチド服用群:3.8%(61例/1591例)

プラセボ(偽薬)服用群:4.8%(76例/1592例)

(経口セマグルチドを飲むと心血管リスクが21%下がる(ハザードリスク0.79))

有意差あり

 

心血管系が原因と思われる死亡リスク

経口セマグルチド服用群:0.9%(15例/1591例)

プラセボ(偽薬)服用群:1.9%(30例/1592例)

(経口セマグルチドを飲むと心血管関連の死亡リスクが51%下がる(ハザードリスク0.49))

有意差あり

死亡リスク

経口セマグルチド服用群:1.4%(23例/1591例)

プラセボ(偽薬)服用群:2.8%(45例/1592例)

(経口セマグルチドを飲むと死亡リスクが49%下がる(ハザードリスク0.51))

有意差あり

 

非致死性心筋梗塞・非致死性脳卒中・入院が必要な不安定狭心症・入院が必要な心不全のリスクに関してはプラセボ群と経口セマグルチド群で有意差は確認されませんでした

フォシーガ錠服用によるアルブミン尿・起床時の家庭内血圧改善効果について

有害事象(副作用)

経口セマグルチド服用群

服用を中止した患者:11.6%(184例/1591例)

悪心・嘔吐・下痢症状を含む消化器関連の有害事象:6.8%(108例/1591例)

代謝・栄養関連の有害事象:1.2%(19例/1591例)

神経系症状:1.1%(17例/1591例)

 

プラセボ(偽薬)服用群

服用を中止した患者:6.5%(104例/1592例)

悪心・嘔吐・下痢症状を含む消化器関連の有害事象:1.6%(26例/1592例)

代謝・栄養関連の有害事象:0.4%(7例/1591例)

神経系症状:0.8%(13例/1592例)

 

まとめ

1日1回経口セマグルチドを服用すると、プラセボと比較して体重減少・HbA1c減少作用が確認され、心血管関連の複合リスクおよび心血管関連の死亡リスクが減少することが示されました。現在、経口セマグルチド製剤は米国・欧州・カナダにおいて承認審査段階にある治験薬です。

経口セマグルチドに関する第三相臨床試験データ

 

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-GLP-1アナログ, オゼンピック, セマグルチド, 効果, 心血管リスク, 糖尿病, 経口, 飲み薬

執筆者:ojiyaku


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