新規片頭痛治療薬レイボー(成分名:ラスミディタン)がFDAに承認
2019年10月11日、新規作用機序の片頭痛治療薬レイボー(成分名:ラスミディタン)がFDAに承認されました。
ラスミディタンは選択的5-HT1F受容体作動薬です。セロトニン受容体に作用するものの、5HT1B受容体と比較して、H-HT1F受容体への選択制が470倍も親和性が高いため、血管収縮関連の副作用が少ないことが報告されております。
従来のトリプタン製剤では虚血性心疾患やレイノー現象(手足の小動脈の収縮現象)のある患者さんでは使用しにくいという難点がありましたが、新薬のレイボー錠(ラスミディタン)では、このあたりが改善・軽減されている製剤となっています。(ラスミディタン錠の最高血中濃度2~2.5時間)
レイボー錠(ラスミディタン)の治験データを確認すると1カ月に1~18回片頭痛発作が生じる被験者を対象としたデータでは、50mg、100mg、200mg、400mgの投与量と相関して頭痛が改善していることが示されています。
FDAの承認時の注意要綱にはレイボー錠服用後、最低8時間は機械の操作や運転作業を避けること・アルコールや中枢神経抑制薬との併用は注意することと記されております。
レイボー錠(ラスミディタン)による明確な薬理作用は不明ですが、5HT-1B受容体への作用が低いにも関わらず片頭痛症状を改善していることから、血管拡張があまり関与しないタイプの薬理作用なのではと示唆されています。
5HT-1F受容体について
5HT-1F受容体は脳幹三叉神経核・脳幹三叉神経核のシナプス前終末および三叉神経節・延髄の三叉神経脊髄路核などに分布する受容体で、その作動薬は神経細胞に対する抑制的な作用を示すことが知られています。5HT-1F受容体は血管収縮に関与していることが示唆されているため、ふらつき・転倒といったリスクを軽減できるのではと期待されています。