おじさん薬剤師の日記

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抗生剤

膀胱炎に対して良く効く抗生剤を検討する

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膀胱炎に対して良く効く抗生剤を検討する

膀胱炎の原因菌は、大腸菌が70~95%を占めます。その他に、腸球菌、ブドウ球菌などの細菌が原因で発症します。細菌以外ではクラミジア、マイコプラズマなどの非定形菌が
関与する場合もあります。

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バクタ配合錠を連日服用する意味について

膀胱炎の原因菌は大半が大腸菌と考えてもよいというデータです。大腸菌に対しては多くの抗生剤が効果をしめしますが、特にニューキノロン系やセフェム系の抗生剤がよく処方されるイメージがあります。そこで今回は膀胱炎の原因菌に対して抗生剤がどのようなアプローチで原因菌を除菌するか、またその力価はどの程度なのかについて調べてみました。

~抗生剤が膀胱炎の原因菌にたどり着くまでの経路について~
抗生剤を服用して腸管から吸収された後、膀胱炎の原因菌にたどり着くまでの経路は大きく分けて2つあります。

1:血中を通って直接膀胱周辺組織へ移行する経路
抗生剤を内服後、吸収されて血中を流れながら、膀胱および膀胱周辺組織に抗生剤が分布し除菌効果を示すというものです。多くの抗生剤のインタビューフォームを確認したのですが、膀胱への移行性(分布)というデータが記載されていないため、この経路に関する力価を確認することができませんでした。

2:除菌活性を有する状態で腎臓を経て膀胱内の尿に溶け込む経路(腎排泄での除菌)
抗生剤は服用後、腸管から吸収されます。その後、吸収されたままの構造(未変化体)として除菌効果をしめす抗生剤もあれば、肝臓で一度代謝を受けてから(活性代謝物となってから)除菌効果をしめす抗生剤もあります。いずれの構造でもかまいませんが、抗生剤が除菌効果を有する状態で腎臓に入り込み、そのまま尿管を経て膀胱にたどり着けることができれば、膀胱内を除菌することが可能です。

○製薬メーカーに確認したところ、一般的な膀胱炎の除菌治療は2番目(腎排泄での除菌)であることがわかりました。

~抗生剤が活性を有する状態で腎排泄される量~
抗生剤は品目により排泄経路がことなります。腎排泄型もあれば便排泄型もあります。さらに排泄時には肝臓で代謝をうけて不活性化されてしまう抗生剤もあります。
膀胱炎治療においては上述したように活性を有する形で膀胱までたどり着く必要があります。
そこで、各種抗生剤について「活性を有する状態で腎排泄される量」について調べてみました。

整腸剤の効果・使用方法・違いについて(ビオフェルミン・乳酸菌・糖化菌・酪酸菌)

バクタ配合錠を連日服用する意味について

~ニューキノロン系~

クラビット
尿路感染症治療率:86.7%
MIC90(最小発育阻止濃度90%):0.1μg/ml
投与後24時間において80%が活性を有する状態で膀胱にたどり着く

シプロキサン
MIC90(最小発育阻止濃度90%):0.1μg/ml
投与24時間において40~50%が活性を有する状態で膀胱にたどり着く

グレースビット
MIC90(最小発育阻止濃度90%):2μg/ml
尿路感染症治療率:92.4%
投与48時間において70%が活性を有する状態で膀胱にたどり着く

~セフェム系~

フロモックス
MIC60(最小発育阻止濃度60%):0.39μg/ml
投与24時間において40%が膀胱にたどり着くが、活性体と不活性体が混合している(割合不明)

セフゾン
MIC60(最小発育阻止濃度60%):0.39μg/ml
尿道分泌物中への移行は2.5μg/ml(血中の79%が移行する)
投与24時間において26~33%が活性を有する状態で膀胱にたどり着く

メイアクトMS
MIC60(最小発育阻止濃度60%):0.39μg/ml
投与24時間において20%が活性を有する状態で膀胱にたどり着く

~テトラサイクリン系~

ミノマイシン
MIC80(最小発育阻止濃度80%):3.13μg/ml
投与24時間において5.7%が膀胱にたどり着くが、活性体と不活性体が混同している(割合不明)

~ペニシリン系~

サワシリン
MIC90(最小発育阻止濃度90%):8μg/ml
投与24時間において72%が活性を有する状態で膀胱にたどり着く

~ペネム系~

ファロム
MIC80(最小発育阻止濃度80%):0.78μg/ml
投与24時間において5%が活性を有する状態で膀胱にたどり着く

~その他~

ホスミシン
MIC80(最小発育阻止濃度80%):6.25μg/ml
投与24時間において30%が活性を有する状態で膀胱にたどり着く

~マクロライド系~

ジスロマック
MIC80(最小発育阻止濃度80%):1.56~6.25μg/ml
尿管濃度は投与後134~137時間で0.59~1.8μg/ml
投与24時間において10%が膀胱にたどり着くが、活性体と不活性体が混同している(割合不明)

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まとめ
上記データより、活性を有する状態で膀胱にたどり着く率および大腸菌への薬理活性を相対的に評価するとニューキノロン系薬剤が有用であることがうかがえます。

上記はすべて内服薬のデータですが、尿カテーテル経由で膀胱内に直接局所注入する抗生剤として
硫酸ポリミキシンB散50万単位「ファイザー」
という薬があります。
使用方法は「ポリミキシンB硫酸塩50万単位を滅菌生成水または生理食塩水10~500mlに溶解し、その適量を1日1~2回に分けて膀胱内に注入または洗浄する」
というものです

 




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