妊娠中の喫煙は予期せぬ乳幼児突然死と相関する
米国の研究チームは、妊娠中の喫煙が予期せぬ乳幼児突然死のリスクを2倍以上に増加させることを報告しました。
2007~2011年までに出生した赤ちゃん2068万5463例を対象としたデータで、そのうち予期せぬ乳幼児突然死は1万9127例でした。
母親の喫煙と予期せぬ乳幼児突然死の関連
母親が妊娠中に1本も喫煙しなかった場合と比較して、妊娠中に喫煙していた群の予期せぬ乳幼児突然死の割合は2.44倍高いという結果となりました。具体的には妊娠中に1日1本でも喫煙すると予期せぬ乳幼児突然死の割合は1.98倍となり、1本増えるごとに非喫煙群と比較して予期せぬ乳幼児突然死が起こる割合が0.07増加する結果を公開しています(喫煙本数と予期せぬ乳幼児突然死の割合は相関しています(比例))
妊婦が1日20本喫煙した場合、予期せぬ乳幼児突然死の割合は3.1倍以上のリスクとなることが示されています。
非喫煙者群と比較して、妊娠1~13週までに禁煙した群においても予期せぬ乳幼児突然死の割合は高くなっております。
妊娠中の喫煙した群と妊娠中に減煙した群を比較したデータでは、予期せぬ乳幼児突然死の割合は0.12%減少が確認され、妊娠中に禁煙した場合は喫煙群と比較して0.23%の減少が確認されております。
妊娠1~13週の間、1日20本喫煙していた妊婦が、その後1日10本へ減煙した場合の予期せぬ乳幼児突然死の割合は、妊娠期間を通して1日13本喫煙していた場合の割合と同程度まで予期せぬ乳幼児突然死の割合を減らすことができます。つまり、どのタイミングでも構わないので、妊娠中の女性は喫煙本数を減らすことがリスクの減少につながります。
以上のデータより、筆者らは、米国で発生している予期せぬ乳幼児突然死のうち22%は妊娠中の母親の喫煙が原因ではないかと示唆しており、母親が禁煙することで年間死亡例3700人中800人は予防することが可能とまとめています。