2型糖尿病患者におけるDPP4阻害薬服用が炎症性腸疾患(IBD)リスクを増加させる

 

2型糖尿病患者におけるDPP4阻害薬服用が炎症性腸疾患(IBD)リスクを増加させる

 

2型糖尿病患者さんにおけるDPP4阻害薬の服用が炎症性腸疾患(IBD)の発症リスクを増加させるという報告をカナダの研究チームが行いました。

炎症性腸疾患(IBD)とは、感染・薬剤性などが原因となる“特異性の炎症性腸疾患“とクローン病・潰瘍性大腸炎などの”非特異性炎症性腸疾患”とに大別できます。

 

今回の報告は炎症性腸疾患全体をターゲットとしていますので、クローン病や潰瘍性大腸炎を患っている2型糖尿病患者さんにおいて、服用薬剤の見直しにつながるかもしれません。

 

対象:2007年1月~2016年12月の期間に糖尿病治療を開始した14万1170人

DPP4阻害薬服用による炎症性腸疾患(IBD)リスクの増悪

結果:全体として208例の炎症性腸疾患が発生

 

DPP4阻害薬服用群:53.4人/10万人年あたり

その他の糖尿病治療薬服用群:34.5人/10万人年あたり

動物性脂肪の摂取がDPP4阻害薬の効果を減弱する

ハザードリスクとしてはDPP4阻害薬を服用すると炎症性腸疾患の発現頻度が1.75倍高くなるという結果となりました。

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さらにDPP4阻害薬の服用期間が長くなるにつれて徐々にリスクが上昇し、3~4年後に炎症性腸疾患の発現頻度がピークとなります(リスク:2.9倍)。その後は発現頻度が減少していき4年以上DPP4阻害薬の服用を続けると、炎症性腸疾患の発現リスクは1.45倍へ減少していきました。

DPP4阻害薬は2009年に登場して以来、単剤での使用は低血糖リスクが低く、禁忌や慎重投与が少ない血糖降下薬として国内市場が拡大したイメージがあります。クローン病や潰瘍性大腸炎などの寛解と再発を繰り返しているような患者さんがDPP4阻害薬を使用しているのであれば、その使用について再検討する価値はあるのかもしれません。

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ojiyaku

2002年:富山医科薬科大学薬学部卒業