新規で収載された後発医薬品の安定供給に不備が生じた場合の罰則
厚生労働省が後発医薬品メーカーに対して新たなルールを設けました。
直近2回にわたり新規で収載された後発医薬品の安定供給に支障が出た製薬メーカーは、今年12月の後発医薬品発売時に「今回のGEに関して供給開始の遅れや欠品が書字多場合は、次の薬価基準収載を自発的に見送る」といった内容の文章を厚生労働省へ提出するルールが設けられます。
具体的な例を以下に記します。
新規後発医薬品は年に2回”6月”と”12月”に発売されます。
例えば製薬会社Aが「2019年6月に後発医薬品〇〇を発売します!」と明言しておきながら、3カ月以内に発売することができなかったとします。2019年12月にも同様に「後発医薬品△△を発売します」と明言しながら、3カ月以内に発売することができなかったとします。この場合2回連続で医薬品を供給できなかったことになりますので、2020年6月の後発医薬品発売時に「今回(2020年6月)、医薬品を安定供給できなかったら次の薬価収載(2020年12月発売の薬)を見送ります」といった宣言をしなければならないというルールです。
医薬品を安定供給できない判断基準としては
・収載から3カ月以内に発売する「3カ月ルール」を守れなかった場合
・出荷調整や自主回収などで欠品が生じた場合
・需要に足して供給が間に合わない場合(原薬供給が間に合っていない)
尚、災害問題が要因の場合は猶予される可能性もあるということです。
このルールができた背景には喘息治療薬シムビコートのGEが薬価収載されたにもかかわらず、3カ月以内に発売することができず、発売後も出荷調整に入るなど安定供給を行うことができなかった事例が要因ということです。
新規で収載された後発薬品について、需要が供給を上回るため出荷調整、一時販売停止となった事例は何度も生じております。
過去の事例としては2020年6月収載された「エディロール」のジェネリック医薬品は安定供給が難しいということを理由に発売時期が2カ月遅れ(2020年8月発売)となりました。また、2018年12月に発売されたストラテラ錠のジェネリック医薬品”アトモキセチン”が安定供給できないといった事例が生じていました。
後発医薬品会社にとっては、医療現場への信用問題とも直結しますので、医薬品の安定供給に関するハードルを設けられた形となりました。