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痛風発作時にザイロリック(アロプリノール)を投与した場合の痛みの程度を白血球の動きから推測する

ojiyaku 0
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痛風発作時にザイロリック(アロプリノール)を投与した場合の痛みの程度を白血球の動きから推測する

 

「痛風発作時にユリノーム(尿酸排泄促進剤)やザイロリック(尿酸生成抑制薬)などの血清尿酸値を変動させる薬を飲むと発作の増悪を認めることが多いため、発作中に尿酸降下薬を開始しないことを原則とする」というルールが痛風の治療ガイドラインに記されております。

 

私も薬剤師になってすぐのころに上記のガイドラインについて上司から教わった記憶があります。痛風発作時の通常の治療の流れは、痛み止めやコルヒチンを使用して痛みを寛解させて、それから2週間後ほどたってから少しずつ尿酸降下薬を投与していって3~6か月ほどかけてじわじわ尿酸値を下げていくという感じなのですが、痛風発作時にザイロリックを投与した事例はないものか・その結果はどんな感じかなぁと気になったので調べてみました。

フェブリク錠とトピロリック錠(ウリアデック錠)の違いについて

 

ウラリット(クエン酸ナトリウム・クエン酸カリウム)が尿酸排泄を促進させる具体的効果について

 

痛風発作急性期にザイロリックを使用した報告

報告1:痛風発作を発症した31人に対してコルヒチンとNSAIDSを痛み止めとして投与しつつザイロリック100mg(14人)またはプラセボ(17人)を14日間服用してもらいます。次の14日間はザイロリック200mgへ増量して経過観察を行い、痛風発作の程度について調査しています。結果はザイロリック服用群、プラセボ群ともに急性の痛風発作期間が延長することはなかった。と記されています。

痛風発作直後にザイロリックとコルヒチン投与例

 

報告2:痛風発作を発症した57人に対して、インドメタシン50mg(NSAIDS)1日3回10日間、コルヒチン0.6mgを1日2回90日間投与して、11日目以降にA群はザイロリック300mgを服用し(26人)、B群はプラセボを服用した(25人)。ザイロリック群では服用3日が経過した段階で尿酸値が7.8mg/dl→5.9mg/dlへと急速に低下したこと確認されました。痛風発作を再発した人数はザイロリック服用群で2名、プラセボ服用群で3名という結果でした。急性痛風発作から10日後にザイロリック300mgを用いて急速に尿酸値を下げる場合はコルヒチンと併用することで発作の再発・炎症マーカーの上昇を抑えることができた。と記されています。(ザイロリック300mg初回投与というのは急激に尿酸値を低下するのに十分な量です。通常は50mgから開始して徐々に増やしていきます)

痛風発作10日後よりザイロリック投与例

 

上記の2つの報告はどちらもガイドラインより早い段階でザイロリックを投与しているのですが、コルヒチンも服用しているという特徴があります。

 

コルヒチンは白血球(とくに好中球)のはたらきを低下させる効果があります。痛風発作時の痛みの原因は“尿酸の結晶“を好中球がやっつける際に使用するエネルギーや戦い終えた好中球の遺骸です。”好中球が活躍している状態=炎症がおきた“と体が認識して痛み信号として脳へ伝えるためです。(尿酸の結晶があるから痛いではなく好中球が活躍したために痛いと考えます)

 

痛風発作時にコルヒチンなしでザイロリックを単独で飲むとどうなるか

フェブリク錠とトピロリック錠(ウリアデック錠)の違いについて

ウラリット(クエン酸ナトリウム・クエン酸カリウム)が尿酸排泄を促進させる具体的効果について

 

ここまで、痛風発作の痛みの原因は患部に集まった“好中球の活躍”であることがわかりました。では“好中球の活躍“を抑制することなく急速にザイロリックを服用すると体はどのような反応をするのでしょうか。

(尿酸値と白血球数の関係)

(尿酸値と好中球数の関係)

一般的に尿酸値が高くなると好中球数も高くなることが報告されております。イメージとしては好中球が“尿酸結晶“がないかどうかを監視しているような感じでしょうか。

 

痛風発作時にザイロリック錠を服用すると、尿酸値が低下します。以下、まだまだ仮説とされている内容なのですが記してみます。

 

高濃度に尿酸が溶けた液中において、局所的に尿酸が集合して結晶ができると、溶液中に溶けている尿酸の濃度が若干下がります。

好中球が“血液中の尿酸濃度が低下した=血管のどこかに尿酸結晶ができた”

と勘違いして活発に活動するのであれば、それが疼痛につながるという推測がなされています。

 

尿酸の監視役“好中球”がこの濃度変化を察知して活発に動くかどうかについては推測の域を超えません。(異論もでています)

 

いずれにしても、痛風発作を再発させないためには、好中球の監視をかいくぐりながら少しずつ尿酸値を下げる必要がありますので、症状のザイロリックから開始するというガイドラインの有用性がうかがえます。(急速に尿酸値を下げたいのであれば、コルヒチンカバー状況下で尿酸降下薬を使用することも可能かもしれません)

 

痛風発作時にユリノームを単独で飲むとどうなるか

 

ユリノーム(尿酸排泄促進薬)の場合もザイロリックと同様に血中の尿酸濃度が急激に低下するため好中球が活発に働くために同様の痛風発作が起こりうるかもしれません。ユリノームの場合はそれに加えて、尿酸排泄量が増えるために尿路(尿管・膀胱・尿道)に尿酸が結晶化して尿路結石を生じる可能性もありますので、高尿酸血症時のユリノーム使用は尿をアルカリ性に保つ必要があります(尿が酸性だと尿路結石を生じやすい)

 

痛風発作の要因を“尿酸の結晶”という観点から見てみる

 

たとえば尿酸濃度と痛風発作率を確認してみますと、尿酸値が7~8.9mg/dlの方の場合、痛風発作を生じるリスクが1年あたり0.5%であるのに対して、尿酸値が9mg/dl以上の方の場合、痛風発作を生じるリスクが1年あたり4.5%まで高くなる報告があります。

 

尿の酸性中性アルカリ性で見てみると、尿酸はアルカリ性や中性の液体にはとけるものの、弱酸性の液体には1/10程度しか溶けないという極端な性質があるため尿をアルカリ性に保つこと(野菜をたべること)が大切になってきます。

 

また温度が低いと結晶を作りやすいという特徴もあるため、心臓付近よりも手先足先などの末梢では体温が低いため血液の温度も下がり尿酸の結晶ができやすい環境と言えます。また起きているときと比べて寝ているときの体温は1.5~2℃ほど低下します。すると尿酸の結晶ができやすい環境に近づくため、寝ているときに痛風発作を生じる可能性があがるわけです。

フェブリク錠とトピロリック錠(ウリアデック錠)の違いについて

ウラリット(クエン酸ナトリウム・クエン酸カリウム)が尿酸排泄を促進させる具体的効果について

まとめ

・尿酸値が高くなると好中球数も平均的に高くなることが報告されています

 

・好中球の活発な活動とその遺骸が痛風の痛みの原因です

 

・痛風発作時に急激に尿酸値を下げるた場合、好酸球がどのような動きをするかはわかりません

 

・ユリノームの服用によって尿路へ排泄された尿酸が結石を作ることがあるので注意が必要です

 

・体温が下がると末梢において尿酸が結晶化することがあるので手足・足先を温めましょう

 

・睡眠中は体温が低下するため尿酸が結晶化する率が上がる可能性があります

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