高尿酸血症・痛風ガイドライン改訂第3版のポイントは臓器保護・心血管保護での薬剤使用有無

高尿酸血症・痛風ガイドライン改訂第3版のポイントは臓器保護・心血管保護での薬剤使用有無

 

高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン改訂第3版が発行されました。

改訂第3版での主な変更点

 

臓器保護を目的として尿酸降下薬を使用すべきか否かという問題について、腎臓保護の観点からは腎機能低下を抑制する目的に尿酸降下薬を用いることを条件付きで推奨する。

 

一方、心血管病発症リスク軽減を目的とした尿酸降下薬の使用に関しては、条件付きで推奨されない。(ただし、降圧薬使用中の高血圧患者さんでは痛風や腎障害を合併しやすいため、痛風や腎障害の抑制を目的に尿酸降下薬の投与は推奨される)

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CQ2:腎障害を有する高尿酸血症の患者に対して、尿酸降下薬は非投薬に比して推奨できるか?

 

回答:「実施する」ことを条件付きで推奨する(エビデンスの強さ:B(中))

フェブリク錠とトピロリック錠(ウリアデック錠)の違いについて

腎障害を有する高尿酸血症患者に対して、腎機能低下を抑制する目的に尿酸降下薬を用いることを条件付きで推奨する。(欧米のガイドラインでは痛風発作を起こしていない腎障害を有する無症候性高尿酸血症に対して尿酸降下薬の投与は推奨されていません)

 

 

CQ3:高尿酸血症合併高血圧患者に対して、尿酸降下薬は非投薬に比して推奨できるか?

 

回答:「実施しない」ことを条件つきで推奨する(エビデンスの強さ:D(非常に弱い))

 

高尿酸血症合併高血圧患者に対して、生命予後ならびに心血管病発症リスクの軽減を目的とした尿酸降下薬の使用は積極的には推奨されない。

痛風発作時にザイロリック(アロプリノール)を投与した場合の痛みの程度を白血球の動きから推測する

その他の変更点

 

・高尿酸血症の新規病型分類:腸からの排泄低下により血清尿酸値が上昇する「腎外排泄低下型“

 

・動脈硬化・心不全・腫瘍崩壊症候群・小児の高尿酸血症・医療経済の項目が新規に追加

 

などです。

ojiyaku

2002年:富山医科薬科大学薬学部卒業