おじさん薬剤師の日記

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抗がん剤

急性リンパ性白血病治療薬「キムリア」(CART-T療法)が承認されました

投稿日:2019年3月27日 更新日:

急性リンパ性白血病治療薬「キムリア」(CAR-T療法)が承認されました

kimuria

kimuria

2019年3月26日、再生医療等製品としてCAR-T細胞療法「キムリア」が承認されました。

キムリアの適応症は

・再発または難治性のCD19陽性のB細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)

投与時に25歳以下の患者が対象

 

・再発または難治性びまん性大細胞B細胞リンパ腫(DLBCL)

成人患者が対象

厚生労働省の資料では、再発または難治性のCD19陽性のB細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)にキムリアを使用した場合の全寛解率は81.3%、再発または難治性びまん性大細胞B細胞リンパ腫(DLBCL)(18歳以上を対象)とした奏効率(完全奏功、または部分奏功)は53.1%とされています。

 

キムリアを製造販売するノバルティスファーマのデータでは、再発または難治性のCD19陽性のB細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)にキムリアを使用した場合、全寛解率(完全寛解、又は血球数回復が不十分な完全寛解)82.0%(41/50名)、寛解持続期間の中央値は未到達で、持続した寛解が得らています。

 

再発または難治性びまん性大細胞B細胞リンパ腫(DLBCL)にキムリアを使用した場合の奏効率(完全奏功、または部分奏功)は中間解析時点で58.8%(30/51名)とされています。奏功持続期間の中央値は未到達で、持続した寛解が得らています。

ノバルティス、国内初となる CAR-T 細胞療法「キムリア®」の製 造販売承認を取得

以下、2019年2月20日時点の情報です。

2019年2月20日、厚生労働省の専門部会は、一部の白血病患者を対象とした治療薬「キムリア」(製薬大手ノバルティスファーマ)の製造販売を了承しました。”キムリア”は「B細胞性急性リンパ芽球性白血病」(25歳以下)と「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」のうち、再発や難治性の患者が対象となります。

 

キムリアは患者さんから採血した血液中に含まれるT細胞とよばれる免疫細胞を抽出し、ノバルティスファーマの細胞加工施設にて、このT細胞に”癌化したB細胞を認識できる”ように遺伝子組み換えを行ったのち、患者さんの体内に、このT細胞を注射にて戻す医療です。この方法により癌化したB細胞がどんどん低下していき症状の改善をはかります。患者さんから採血を行った後、再度注射で戻すまでの期間は50日ほどで、1回の点滴治療で終了です。

 

すでに”キムリア”による治療が行われている米国では、1回の治療費が5300万円と設定され、治療開始から1か月に効果が認められた患者のみに支払を求める成功報酬型の価格設定が採用されております。

 

以下は2018年2月19日に記載しました急性リンパ性白血病治療薬キムリアについての内容です。

2017年8月に米国FDAで医薬品として認可された急性リンパ性白血病治療薬「キムリア」の1回の治療費が5300万円という高額治療であることが話題となりましたが、開発を行ったノバルティスファーマは「2018年内に日本国内での承認申請を目指している」としています。

~キムリア(CAR-T細胞療法)~

適応症
急性リンパ性白血病で再発・難治性の25歳以下の患者

急性リンパ性白血病とはB細胞が癌化して増力する疾患です。癌化したB細胞表面にはCD19という腫瘍抗原が多く発現します(通常のB細胞にもCD19は発現しています)

薬効
患者様本人から採血した血液の中からT細胞を抽出し、低温状態に保管してノバルティスの細胞加工施設へ輸送します。そこでT細胞の表面にCD19を認識する受容体を発現する遺伝子が組み込まれ、患者本人の体内へ注射して戻します。
キメラ抗原受容体T細胞療法と呼ばれます

体内へ戻されたキメラ抗原受容体T細胞は、癌化したB細胞を発見すると、増殖を繰り返しB細胞をやっつけます。

米国での治療成績(ELIANA試験)

対象:急性リンパ性白血病患者さん68人の子供・若年成人

結果
有効性が評価できたのは63人であり、そのうち52人(83%)が3か月以内にがん細胞が見えなくなった(寛解状態)となっています。治療を受けた患者の6か月後の生存率は89%、12か月後では79%となっております。

B細胞のCD19をメインターゲットとする治療であるため、正常なB細胞の減少による免疫不全の副作用が起こりえます。

米国では1回の治療費が5300万円と設定され、治療開始から1か月に効果が認められた患者のみに支払を求める成功報酬型の価格設定が採用されました。

キムリアは世界初の遺伝子組み換えによる治療であるため、効能効果と副作用リスクを検討した上で、日本国内でどのような承認審査が行われるか非常に興味深いところです。

CAR-T療法に関しては武田薬品や第一三共、タカラバイオなどの国内企業も参入を発表しておりますので、今後の癌治療の一翼を担う療法となるかもしれません。

-抗がん剤
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執筆者:ojiyaku


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