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片頭痛に対するミグシス錠の効き目を患者様へお伝えする

ojiyaku 0
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片頭痛に対するミグシス錠の効き目を患者様へお伝えする

 

神経内科の門前で勤務していると、抗うつ剤としてセロトニン関係の薬が数多く処方されます。抗うつ剤の服用により脳内のセロトニンがある程度充足したあとに、セロトニンが代謝されると、一過性に血管の異常拡張して拍動性頭痛が生じるケースや、血管壁の浮腫や透過性亢進が原因による片頭痛が生じることがあるという報告があります(原因については仮説となっております)。

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一般的な片頭痛治療薬としてはトリプタン製剤(イミグラン・ゾーミック・アマージ・マクサルト・レルパックス:セロトニン5HT-1B/1D選択的作用薬)の使用頻度が高いように思います。しかし、SSRIやSNRI・セロトニン作動薬などの抗うつ薬を使用している患者様の場合は、脳内のセロトニン量が過剰となる可能性が否定できないため「トリプタン製剤と抗うつ剤との併用は注意するように」という勧告が2006年米国食品医薬品局(FDA)からなされております。そのため神経内科や精神科の門前にある薬局ではトリプタン製剤の取扱いが少ないでのではないかなぁと感じております。

 

トリプタン製剤の第三世代?と言っていいかわかりませんが、「アマージ錠」は他剤と比べると効き目はマイルドではありますが、中枢神経領域での副作用頻度も少ないという特徴がありますので、私は何度かアマージ錠とSSRIとの併用事例を見たことがあります。2剤併用する場合は、セロトニン症候群に関する注意喚起が必要かと思われます。

 

セロトニン症候群のような副作用を回避するために、より安全な選択としてセロトニン系作用薬ではなく「ミグシス錠」を処方するケースを何度か見かけます。今回は精神科領域における片頭痛に使用される「ミグシス錠」についてその効果や臨床データを確認してみたいと思います。

 

ミグシス錠の特徴

 

日本初のCaチャネル遮断作用を主作用とする片頭痛治療剤です。セロトニンの遊離によって脳血管が収縮する作用を抑制して片頭痛を改善します。ミグシス錠による血管を広げる効果は脳血管に選択的であり、全身性の血圧降下作用は低いことが報告されています。

(ミグシス錠による降圧作用は、ニカルジピンの380分の1、ヘルベッサーの11分の1、ワソランの150分の1程度です。注:イヌの降圧データより)

 

ミグシス錠は上記の主作用に加えて、脳血流量の増加作用と血管透過性亢進に起因する神経原性炎症を軽減するはたらきが報告されています。

 

ミグシス錠の効果(ラットへのデータ)

 

脳血流量の低下が片頭痛発症機序の要因の一つではないかという仮定のもとに以下のデータが示されています。

 

ラット海馬切片において、ミグシスを投与することで低酸素状態による誘発される脳血流量低下が抑制されることが示されています。ラットにKCLを投与すると一過性に脳血流量が上昇した後、60分間は70~80%に低下することが報告されています。KCLが投与されたラットにミグシスを投与することで血流量の低下を抑制することが報告されています。

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In vitro(試験管内)のデータですが、5HT誘発性の血管収縮作用にいて、ニフェジピンよりもミグシスによって有意な血管収縮抑制作用が報告されていることから、ミグシス錠は5HT2A阻害作用によるCa放出抑制効果が示唆されています。またミグシス錠は分子サイズが小さいという特徴があるため、ヒトの血液脳関門を通過することが可能です。(脳内へ移行することができる製剤となっています)

 

ミグシス錠の空腹時投与におけるTmaxは3時間ですので、空腹で1錠飲むと、2~3時間後くらいには効果がでてくる感じです。ミグシス錠を食後に飲むと、効果発現までの時間が1時間ほど遅くなる印象です。1日2回ミグシス錠を飲んだ場合は5日目あたりから片頭痛薬としての効き目が安定してくるデータが示されています。

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