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ムコダインの効果:気道や鼻腔の「通り道を治す」はたらきを患者様へお伝えする

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ムコダインは鼻腔や気道の「通り道を治す」はたらき

 

気管支炎や副鼻腔炎、滲出性中耳炎などの症状を軽減するために小児から大人まで、幅広く使用される「ムコダイン(カルボシステイン)」ですが、その効き目や服用期間(どれくらい長く飲むことがあるのか)について患者様やそのご家族からご質問をいただくことがあります。今回はムコダインについて私なりの捉え方を記してみます。

ムコダインの滲出性中耳炎に対する治療成績

COPD患者を対象としたムコダインの効果について

ムコダインのはたらきは「通り道を治すことで、痰を出しやすくする薬です」と私は考えています。この場合の「通り道」とは空気や痰の通り道であり気道であったり、鼻水の通り道である鼻腔・副鼻腔のことで、いわゆる粘膜で覆われたトンネル部分のことです。ムコダインは気道や鼻腔といった「通り道」を形成している壁となる細胞(上皮細胞)に対して、いくつかの方法で修復を試みる薬です。

 

1:粘液構成成分調整作用

風邪などでウイルスが気管支に侵入してくると、ヒトは痰と一緒にウイルスを排出します。痰とは肺や気管支にある異物をからめとって吐き出すために手段ですが、異物をからめとりやすいように痰はネバネバとした粘性を持っています。気管支喘息では痰をつくる細胞に異常が生じており、痰のネバネバが著しく増加することがあります。このネバネバの主成分をムチンといいます。

 

ムチンを作る細胞(杯細胞)に異常が生じると、ムチンがどんどん作られてしまうため痰の粘り気が強くなり、痰を排出しにくくなります。加えて、血管透過性がUPしてしまうので血液中のタンパク質(アルブミン)が痰と一緒に出てしまうことがあります。

 

ムコダインは痰のネバネバの主成分であるムチンの生成を抑える効果があると同時に、ムチンを作る細胞(杯細胞)の増殖を抑える効果があります。この働きにより痰の粘性を通常通りに戻すことが可能となります。(ムチンを作る杯細胞は痰の通り道に沿って発現しています)

 

2:粘膜正常化作用

気道・鼻腔・副鼻腔および内耳の粘膜には、線毛細胞という200本前後の線毛が生えた細胞 があちこちにあります。この線毛は気管支から咽頭へむかって、そよそよ・ゆらゆらとゆらいでいます(鼻腔の場合は咽頭へむけてそよいでいます)。気道や鼻腔に入った異物はこの繊毛の運動に流されて外部へ吐き出されます。気管支喘息や副鼻腔炎では、痰の通り道を作っている線毛細胞が傷んでいるため、通常の流れを作ることができません。この低下した線毛運動のはたらきを、ムコダインによって修復することが確認されています。

 

上記の働きによって、ムコダインは痰の通り道沿い発現している杯細胞を適正化すると同時に、繊毛細胞の流れも正常化することで「通り道」を修復していると私は考えています。

ムコダインの滲出性中耳炎に対する治療成績

COPD患者を対象としたムコダインの効果について

次に「小児が滲出性中耳炎でムコダインを飲み続けること」について調べてみました。

 

飲み続けるといっても使用する期間は症状によってそれぞれ異なるのですが、3ヶ月間にわたって小児がムコダインを飲み続けたデータを確認してみると、滲出性中耳炎の治療率が有用以上の改善率:60%前後

やや有用以上の改善率:78.3%

となっていることが確認できました。

 

耳管粘膜は約8割が繊毛細胞からなっており、通常であれば耳管粘膜は非常に活発な粘液線毛輸送が行われている場です。しかし小児では耳管が未発達であることに加えて、耳管の入り口をふさぎやすいため中耳炎を引き起こすことがあります。

 

ムコダインを飲むことで線毛活動が活発化し、滲出液の貯留を妨げることができるため症状が軽減していきます。この期間もできるだけ鼻水をかむ習慣を見に付け、鼻すすりを禁止することが治癒が促されます。

ムコダインの滲出性中耳炎に対する治療成績

 

 

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