アステラス製薬はSGLT2阻害薬スーグラ錠の効能効果に「1型糖尿病」を追加する承認申請を行いました。
スーグラ錠は腎臓近位尿細管におけるブドウ糖再取り込みを阻害することで血糖降下作用を示す薬剤です。
スーグラ錠の1型糖尿病患者さんへの臨床成績は確認できなかったのですが、同じSGLT2阻害剤のフォシーガ錠について1型糖尿病患者さんへの第三相試験データがありましたので、その臨床報告を確認してみます。
アステラス製薬スーグラ錠に「1型糖尿病」の効能効果追加申請について
1型糖尿病患者さんを対象としてフォシーガ5mgまたは10mgをインスリンと併用して投与したデータを確認してみるとフォシーガ追加によりHbA1c、体重、インスリン1日投与量がいずれも低下しているデータとなっています。(いずれも有意差あり)
フォシーガ5mg追加
HbA1c:-0.42%
体重:-2.96%
インスリン1日相投与量:-8.8%
フォシーガ10mg追加
HbA1c:-0.45%
体重:-3.72%
インスリン1日相投与量:-13.2%
SGLT2阻害剤フォシーガ錠の1型糖尿病患者さんに対する臨床成績
さらにフォシーガ錠の追加により目標血糖値(70~180mg/dl)の達成時間が増加したという結果となっています。
第三相試験は1型糖尿病患者さんにSGLT2阻害剤フォシーガ錠を24週間追加投与した時の臨床データとして報告されたものです。(第三相試験DEPICT-1の結果)
DEPICT-2に関してはフォシーガ5mgまたは10mgを52週間(1年間)1型糖尿病患者さんに追加投与した時の研究として2015年7月~2018年4月(予定)行われております。