発熱のメカニズムと38度を超えたら使う解熱剤の意味:細胞保護と回復の観点から
はじめに:発熱という生体防御反応の本質
私たちが風邪をひいたりウイルスに感染したりした際、体温が上昇するのは決して「身体の不具合」ではありません。発熱は、生体が外敵であるウイルスや細菌を排除しようとする防御反応です。臨床現場において「38度以上を目安に解熱剤を使用する」という基準が広く用いられているのは、単に熱を下げるためではなく、免疫系による攻撃の効率と、患者自身の体力の消耗を天秤にかけた、生理学的な妥当性に基づいています。
本記事では、薬剤師の視点から、発熱時の細胞の状態、解熱剤の薬理作用、そしてなぜ「38度」という数値が重要視されるのかについて、生化学的および薬理学的な観点から詳しくお伝えします。
1. 発熱の分子メカニズムと脳内の設定温度
体温が上昇するプロセスは、非常に精密なシグナル伝達によって制御されています。ウイルスなどの病原体が体内に侵入すると、マクロファージなどの免疫細胞がそれを検知し、「内因性熱性物質」と呼ばれるサイトカインを放出します。これには、インターロイキン―1やインターロイキン―6、腫瘍壊死因子アルファなどが含まれます。
これらのサイトカインは血流を介して脳の視床下部にある血管内皮細胞に到達します。ここで、シクロオキシゲナーゼという酵素が活性化され、アラキドン酸からプロスタグランジンE2という脂質メディエーターが合成されます。このプロスタグランジンE2が受容体のリガンドとして結合することで、視床下部の体温調節中枢に対して「設定温度(セットポイント)」を上げるよう指令が出されます。
脳が設定温度を例えば39度へと引き上げると、身体は「現在の体温(36度)は低すぎる」と判断します。その結果、血管を収縮させて放熱を防ぎ、骨格筋を震わせて熱を産生する「戦時体制」へと移行するのです。
寒い時に手足が冷えるのは、末梢の血管を細くして体の中心に熱を集中させているためです。
2. ウイルス増殖抑制と免疫活性のバランス
なぜ身体はわざわざ熱を上げるのでしょうか。そこには二つの大きなメリットがあります。
まず、多くのウイルスは、ヒトの平熱付近(36度から37度)で最も効率よく複製(自己増殖)を行うよう最適化されている一方で、体温が38度を超えると、ウイルスの増殖に不可欠な酵素の活性が低下し、増殖スピードを物理的に抑制することができるためです。
次に、ヒトの免疫系の活性化です。体温が上昇することで、白血球の遊走能(外敵に駆けつける能力)が高まり、ウイルスを攻撃するインターフェロンの産生量が飛躍的に増加します。研究によれば、体温が1度上昇することで、免疫細胞の活性は数倍に跳ね上がるとされています。このように、38度程度の発熱は、ウイルスにとっては「住みにくい環境」を作ることができ、ヒトの免疫系にとっては「最高のパフォーマンスを発揮できる環境」となるためです。
3. 細胞への代謝的負荷:10パーセント以上のエネルギー消費増大
しかし、高熱は「諸刃の剣」でもあります。ウイルスを叩く一方で、ヒトの細胞にも多大な負荷がかかります。
生化学的な観点で見ると、体温が1度上昇するごとに、基礎代謝量は約10パーセントから13パーセント増加すると報告されています。39度、40度という高熱が続く状態は、全力疾走を続けているのと同等のエネルギー消費を強いていることになります。
細胞内では、生命維持のエネルギー通貨である「アデノシン三リン酸」が激しく消費されます。エネルギーが枯渇し始めると、細胞はウイルスと戦うための「余力」を失います。さらに、代謝が異常に加速することで、副産物として「活性酸素」が多量に発生します。この活性酸素は、細胞膜を構成する脂質や、遺伝情報を司る「デオキシリボ核酸(DNA)」を酸化させ、微細な損傷を与え続けます。
つまり、38度台という温度は、「ウイルス抑制のメリット」と「ヒトの細胞にかかるストレス」が均衡し始める限界点に近い数値なのです。
4. 蛋白質の熱変性と「耐久性」の限界
よく「知恵熱で脳が溶ける」といった俗説がありますが、実際にはヒトの細胞が物理的に壊れ始める温度はもっと高いところにあります。
ヒトの生命活動を支える蛋白質は、温度が上がるとその立体構造が変化し、本来の機能を失います。これを「熱変性」と呼びます。一般的に、ヒトの蛋白質が目に見えて変性を起こし、細胞に深刻なダメージを与えるのは40度から41度を超えてからであり、42度に達すると生命維持が極めて困難になります。
したがって、38度台で解熱剤を使用する主目的は、「蛋白質の破壊を防ぐため」ではなく、「全身のオーバーヒートを防ぎ、回復に必要な体力を温存するため」であると理解するのが正確です。ウイルスとの戦いが終わった後、ボロボロになった身体を修復するための材料(蛋白質やビタミン、エネルギー源)を使い果たさないようにすることが、早期回復への鍵となります。
5. 解熱鎮痛薬の薬理作用:シクロオキシゲナーゼの阻害
ここで、解熱剤がどのように作用するのかを解説します。代表的な薬剤であるロキソプロフェンに代表される非ステロイド性抗炎症薬のメカニズムです。
これらの薬剤の主な作用は、前述した「シクロオキシゲナーゼ」という酵素の働きを阻害することにあります。シクロオキシゲナーゼが阻害されると、脳内でのプロスタグランジンE2の合成が抑制されます。すると、視床下部の体温調節中枢に結合するリガンドが消失し、脳は「設定温度を平熱に戻せ」という指令を出すようになります。
薬によって設定温度が下がると、身体は「今の体温(39度)は高すぎる」と判断し、血管を拡張させ、発汗を促して熱を逃がし始めます。これが、解熱剤によって熱が下がるプロセスです。
発熱時にロキソプロフェンを飲んで布団に入ると、大量の汗をかいてスッキリするのはこのような作用によるものです。
ここで重要なのは、解熱剤は「設定温度をリセットする」薬であり、物理的に冷却するわけではないという点です。そのため、適切な用量を守っている限り、平熱以下(低体温症など)まで体温が下がりすぎることは基本的にはありません。脳が本来の「正常な平熱」以上に温度を下げる命令を出すことはないからです。
6. なぜ37度では使わないのか:免疫の「武器」を奪わないために
臨床現場では、37度台での解熱目的の使用は推奨されないことが多いです。その理由は、前述した「免疫の活性化」を阻害してしまうからです。
37度台は、身体がようやく戦闘態勢を整え、ウイルスに対して優位に立ち始めた段階です。この段階で無理に解熱剤を使ってしまうと、プロスタグランジンE2による適度な警戒態勢を解いてしまい、結果としてウイルスの増殖を許し、病期が長引いてしまう(治りが遅くなる)リスクがあります。
ただし、例外もあります。解熱剤には「鎮痛作用」も併せ持っています。たとえ37度であっても、激しい咽頭痛や頭痛によって水分補給ができない、あるいは全く眠ることができないという場合は、薬剤を使用して「痛み」を取り除くメリットが、「解熱によるデメリット」を上回ります。目的を「解熱」ではなく「苦痛の緩和」に置くのであれば、37度台での使用も臨床的に意義があります。
7. 回復を遅らせないための「戦略的使用」
39度以上の高熱が続くと、臓器への負荷も無視できなくなります。心拍数が増加し、呼吸が荒くなることで、心臓や肺は常にフル稼働状態となります。また、高熱に伴う食欲不振や発汗は、脱水症状や低栄養状態を招きます。
ウイルスを退治できたとしても、その時に体力がゼロになっていれば、その後の「組織修復期」に移行することができず、寝たきりの状態が続いたり、合併症を引き起こしたりする原因となります。
解熱剤を使用することの最大のメリットは、一時的に熱を下げることで「食事を摂れるようにする」「水分を十分に補給する」「深い睡眠をとる」という、回復に不可欠な時間を強制的に確保することにあります。これを私たちは「対症療法による体力の温存」と呼びます。
8. まとめ:賢い解熱剤の使い方
以上の内容をまとめると、発熱と解熱剤の関係は以下のようになります。
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37度台(微熱期): 体がウイルスと戦うための最適な温度です。この段階では、強い痛みがない限り、薬を使わず安静に過ごすことが、ウイルスを早く死滅させる近道となります。
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38度台(中等度発熱): ウイルス抑制効果は高いですが、ヒト側のエネルギー消費が急激に増大します。ここが「薬を使うかどうかの判断基準」となります。本人が比較的元気で、水分も摂れているなら様子を見ても良いですが、消耗が激しい場合は躊躇せずに解熱剤を使用して体力を温存すべきです。
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39度以上(高熱期): ヒトの細胞や臓器にかかる酸化ストレスや代謝負荷が、ウイルス抑制のメリットを上回り始めます。脱水や全身衰弱を防ぐため、積極的に解熱剤を使用して体温をコントロールすることが推奨されます。
解熱剤は、決して「ウイルスを殺す薬」ではありません。しかし、ヒトの身体が自力でウイルスを打ち倒し、その後速やかに社会復帰するための「補助輪」として、極めて重要な役割を果たします。
「熱は下げなければならない」ではなく、「戦いの合間に体力を回復させるための指標」と捉えることが大切です。38度という数字を一つの目安としつつ、ご自身の「辛さ」や「消耗具合」を観察し、適切に薬剤を活用してください。もし判断に迷う場合や、水分摂取が困難なほどの倦怠感がある場合は、速やかに医療機関を受診し、専門家のアドバイスを受けるようにしてください。
ウイルス感染時に発熱してウイルスと戦っている時に解熱剤は使うべきか?(自分まとめ)
2023年7月18日更新
東京大学医科学研究所が「発熱がウイルス性肺炎の重症化を抑制する」メカニズムを解明しました。
以下はマウスを用いたデータです。
体温が38℃以上となると、腸内細菌叢が活性化して、体内の二次胆汁酸レベルを上昇させ、ウイルスの増殖およびウイルス感染による炎症反応を抑えることが示されました。
ポイントとなるのは、熱が直接的にウイルスをやっつけるわけではなく、38℃の熱によりパワーアップした腸内細菌が、肝臓で作られた胆汁酸を二次胆汁酸へ作り変える量を増やしてインフルエンザウイルスの増殖を抑えるという点です。
実際にデータでは、二次胆汁酸を餌に加えたマウスにインフルエンザウイルスを経鼻感染させても生存率が有意に高いことが記されています。
さらに人においても、新型コロナ感染患者から採取した採血サンプルを解析した結果、軽症患者グループと比較して、中等/Ⅱ患者グループでは血中胆汁酸レベルが有意に低下していることが示され、血液中の胆汁酸の量が少ないと新型コロナ感染後の重症となるリスクが高いことが報告されました。
また非常に興味深いデータとして、通常の餌+水道水を与えたマウス、低食物繊維食+水道水を与えたマウス、抗生物質入りの通常の餌と水道水を与えたマウスにインフルエンザウイルスを感染させた試験があります。
低食物繊維食とは腸内細菌の餌となる食物繊維が少ない食事を意味しており、腸内細菌の増殖を抑制した食事と言えます。抗生剤入りの通常職とは、腸内細菌を殺してしまう抗生剤が入った食事ということです。
結果は、通常の餌+水道水を与えられたマウスと比較して、低食物繊維食や抗生剤入りの餌を食べたマウスでは、インフルエンザウイルスに対する抵抗力が失われているというデータが示されたというデータです。
我々の臨床現場でも、ウイルス感染の患者様に対して「念のため抗生物質も出しておきます」という処方は往々にして起こりえます。インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスは検査キット、アデノウイルス検査キッドやロタウイルス検査キットは耳にすることがありますが、その他のウイルスに関しては検査キットが存在しない場合もあります。
ウイルス感染の治療を行う上で、抗生剤(細菌をやっつける薬)は腸内細菌数を減少させることで、間接的にウイルス治療の妨げとなっている可能性が示唆されたわけです。
今回の報告を受けて、ウイルス感染による発熱を解熱剤で抑えるのであれば、解熱剤に加えて二次胆汁酸(ウルソデオキシロール酸)を同時に投与することがウイルス感染および炎症反応の抑制に有益なのかもしれません。また、ウイルス感染が同定されたのであれば、抗生物質は治療の妨げとなりうるという認識をもってもいいのかもしれません。
以下にデータを添付します。
以下に、2023年7月に記した発熱時に解熱剤を使用する(過去の記事)を記します。
風邪で小児科を受診された親御さんから以下の質問をうけました
「ウイルスに感染して、体が体温を上昇させてウイルスと戦っているのに、解熱剤を使用するとウイルス感染が長引くのではないですか?」

Antipyretic-virus-fever
「インターネットで調べたのですが、ウイルスをやっつけるため発熱している時は、解熱剤は使わない方がいいですか?」
発熱は外的因子に対する生体の防御ですので、上記の親御さんの考えは一理ありますよね。
ウイルス感染時に小児が解熱剤を使うべきかどうかに関しては、様々な見解があるかと思います。私の個人的な見解を先に述べますと
「解熱剤を使うことが有益です」が私の回答です。
以下に順を追って私の考えを記します。
ウイルス感染時の発熱について
ウイルスが私たちの身体に侵入(感染)すると、ウイルス感染した細胞からは大量のウイルスが増殖します。感染した細胞がウイルスにより破壊されると、それを検知して私たちの身体の免疫系が活性化し、感染した細胞やウイルスに対する攻撃を開始します。
具体的には、ウイルスをマクロファージ系の細胞が認識すると炎症性のサイトカイン(インターロイキン1β、6など)が放出されて、体内に「ウイルス(異物)の侵入」を知らせます。すると、ウイルスに感染している細胞をやっつけるために、活性化されたキラーT細胞が末梢を駆け巡ります。またB細胞から産生された抗体と活性化された補体が感染細胞に穴をあけ、ウイルスをやっつけます。
ウイルスが侵入した際のお知らせ(サイトカイン)を内皮細胞がキャッチすると「プロスタグランジンE2」という物質を産生します。このプロスタグランジンE2が脳の視床下部に届くと体温の設定温度が上昇されて熱が上がります。(発熱)
一般的に私たちの身体は36~37℃で活発に細胞増殖を繰り返しわけですが、ウイルスに感染した私たちの身体の細胞も同様に37℃前後で活発に細胞増殖を繰り返します。すると自身の細胞を作ると同時に、知らず知らずのうちに大量のウイルスを産生することとなります。しかし39℃の環境下では細胞増殖のスピードが遅くなります。そのためウイルス産生量が下がります。
つまり、ウイルス感染時の発熱のメリットは、一時的に体温を上昇させて、ウイルスの増殖や活動を減少させ、その間に免疫細胞による一斉攻撃でウイルスをやっつけましょうというサインと捉えることができます。
上記が体温上昇の理由だとすると、「あれ?熱を下げない方が効率よくウイルスをやっつけることができるので、熱を下げなくていいのでは?」と考えてしまいそうです。実際に「38℃くらいでお子さんが元気であれば、解熱剤を使わなくてもいいですよ」と説明する小児科医もおります。
では、次に解熱剤を使用する利点を記します。
小児のウイルス感染による発熱時に解熱剤を使用する利点
解熱剤を使用することで、熱性けいれん(発熱によるひきつけ)のリスクを引き下げるという報告があります。熱性けいれんに関しては、般的には38度を超える発熱により、脳の神経細胞が一過性にショートして生じると考えられています。
ひらかた市立病院救急の報告では、熱性けいれん発作を起こした6カ月~5歳の小児に、アセトアミノフェン坐剤を使用すると、その後の熱性けいれんの再発率を引き下げたという報告がなされていますので、発熱時の解熱剤の使用は一定の意義があると私は考えます。
(アセトアミノフェン坐薬使用群の再発率:9.1%、使用しない群の再発率:23.5%)

また、子供の機嫌・不穏感・食欲不振・イライラを軽減するために解熱剤を使用することも有益と考えます。不穏がつづいて眠れない状況に対して、解熱剤を使用することが改善につながるケースもあります。
更に、子供の不快感・イライラが軽減すると、看病している親御さんの不穏感も緩和するという報告があります。親子双方のメンタルの安静を保つという意味での解熱剤を使用する意義は一理あると思います。
最期に、高熱時に解熱剤を細胞レベルで使用する意義に関する研究報告がありましたので下記します。
インフルエンザウイルス感染時の解熱剤の意味(東北大学データ)
高熱時に解熱剤を使用した方が細胞生存率が高い
2019年5月21日、東北大学からの研究報告です。
呼吸器細胞を培養し、インフルエンザウイルス感染時の高熱に相当する39~40℃の高温環境下において、呼吸器細胞の生存率を調査し、感染時に解熱することの必要性を評価したデータです。
研究では、インフルエンザウイルスに感染させた呼吸器細胞と、感染させていない呼吸器細胞をそれぞれ39~40℃の高温下と平熱時に相当する37℃の環境下で培養し、細胞の障害性とインフルエンザウイルスの増殖率についてデータを解析しています。
結果
- インフルエンザウイルスの増殖は39~40℃の高温環境下で抑制されました
- インフルエンザウイルスに感染した37℃および40℃の細胞は、120時間後の生存率がそれぞれ94%、83%程度まで減少しました
- インフルエンザウイルスに感染させていない正常細胞に関して、37℃で培養した細胞は120時間後も生存率が変わらないのに対し、40℃で培養した正常細胞の残存数は90%程度まで減少しました
- インフルエンザウイルスに感染していない細胞を40℃で120時間培養した場合の生存率が90%程度であるのに対し、インフルエンザウイルスに感染した細胞を37℃で120時間培養した場合の細胞数が94%程度でした
上記の結果より、ヒトの体は39~40℃の熱で5日間も放置されると、インフルエンザウイルスに感染していなくても10%程度の細胞が死んでしまうわけです。(感染していると15%程度もの細胞が死んでしまう)
それならば、解熱剤を使用した方が細胞の生存率を引き上げることができるために、解熱剤を使用することが有益ですという報告です。
インフルエンザ感染時の治療において解熱剤を使用して37℃台まで熱をさげることが細胞レベルでの生存率の向上につながることを示した細胞レベルの実験結果と言えます。
細胞レベルで(In vitro)のデータなのですが、私のはこの東北大学のデータを目にした時に、非常にわかりやすいデータだなぁと納得し記憶があり、それ以降「解熱剤の有益性」を認識するようになりました。
小児や高齢者で高熱が続いてぐったりするケースがあるわけですが、食事や水分が取れてるかなぁと考える前に、高熱が続いたことによる倦怠感・嘔気(細胞生存率の低下)をイメージして、解熱剤の有益性を主張する必要があると感じました。

