おじさん薬剤師の日記

調剤薬局で勤務するおじさんです。お薬のはたらきを患者様へお伝えします

骨粗しょう症

アルファカルシドール製剤の供給不足の間は必要な患者を優先(2021/7/20)

投稿日:

アルファカルシドール製剤の供給不足の間は必要な患者を優先

 

アルファカルシドール製剤を製造している「共和薬品(アメル)」がアルファカルシドールの出荷を停止しました。共和薬品は、承認された製造方法とは異なる添加剤を加えているにも関わらず、変更届を行わずに、製造販売を続けていたことが判明したと説明しています。

 

共和薬品が「アルファカルシドール製剤」の供給を再開するためには、添加剤も含めた製造承認を取得した上で、「アルファカルシドール錠」を製造販売しなければなりません。1~2カ月で承認取得が得られることではないため、長期間出荷停止となります。

 

ビタミンD製剤には

「アルファカルシドール製剤」

「カルシトリオール製剤」

「エルデカルシトール製剤」

という3製剤があります。

 

当初、エルデカルシトール製剤(骨粗しょう症治療薬)のジェネリック医薬品を製造販売している「日医工」と「サワイ」が包装販売規格をPTP100包装のみにします。というアナウンスを5~7月に行いました。それに伴い、エルデカルシトール「日医工」、「サワイ」の入荷が難しくなり、先発品のエディロール(中外製薬)も7月7日から出荷調整がはいりました。

 

2011年にエルデカルシトール製剤が発売される前は「アルファカルシドール製剤」が骨粗しょう症治療における役割を担っていましたので、医療現場の感覚としては

「エルデカルシトールが入荷できないのであれば、アルファカルシドールを入荷しよう」

という楽観的な感じだったかのかもしれません。

 

しかし、この状況で「アルファカルシドール「アメル」供給休止」というニュースが流れました。

 

これにより、あらゆるビタミンD3製剤の入荷が難しくなりました。

(カルシトリオール製剤の入荷も難しくなりました)

alfacalcidol

alfacalcidol

厚生労働省の見解としては

1:エルデカルシトールをアルファカルシドールに変更することは避ける

2:新規に骨粗しょう症治療を開始する場合は、エルデカルシトールやアルファカルシドールは避ける

3:アルファカルシドールもしくはエルデカルシトールを他の薬剤と併用している場合は、必要性を検討し、短期間休薬できるようであれば一旦休薬する

4;デノスマブと併用の場合は、可能であれば沈降炭酸Ca、コレカルシフェロール、デノタスチュアブル配合錠に変更する

5:エルデカルシトールやアルファカルシドールを単剤で処方の場合は、他の薬剤への変更を検討する

6:アルファカルシドール・エルデカルシトールを処方する場合は、できる限り長期処方を避ける(30日処方までとする)

 

という対応例を公開しました。

アルファカルシドール製剤が優先的に必要な患者様

さて、ここで厚生労働省が協力を要請している「優先的に必要とされる患者さん」について記します。

 

「副甲状腺機能低下症」

「腎不全に伴う続発性副甲状腺機能亢進症」

「くる病・骨軟化症患者」

 

上記はいずれも血液中のカルシウムが不足している患者様の病気です。

活性型ビタミンD3は食事中に含まれるカルシウムを腸管から吸収しやすくする効果がありますが、活性型ビタミンD3が不足してしまうと、カルシウムを補給することができず、上記の病気になってしまいます。

 

本来であれば、私たちは魚介類やキノコ類・卵類などの食事中に含まれるビタミンDや、日光浴により皮膚で合成されたビタミンDを肝臓と腎臓の機能を活用して“活性型ビタミンD3”を作り出す能力が備わっています。

 

しかし、腎機能が低下している方では、腎臓の働きが悪いため、血液中を流れて到達してきた十分量のビタミンDを活性型ビタミンD3に作り上げることができません。

 

その結果、血液中の活性型ビタミンD3量が少なくなり、カルシウムの吸収量が低下してしまいます。

 

上記の経緯を踏まえ、厚生労働省は「体の中で十分量の活性型ビタミンD3を作ることができない方」を最優先に「アルファカルシドール製剤」を供給してくださいという通知をだしたということです。

エディロールカプセル0.75㎍がどの程度骨密度を改善するか

-骨粗しょう症
-アルファカルシドール, エルデカルシトール, 副甲状腺, 骨粗しょう症

執筆者:ojiyaku


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