成人の全般性不安障害に対する薬剤の効き目について有効性と忍容性(副作用が少なく長く飲み続けることができるか)に関するデータが公開されました。
評価指数としてはハミルトン不安評価尺度(HAM-A)が用いられています。ハミルトン不安評価尺度は不安に伴う精神症状・自律神経症・不眠症・認知障害・抑うつ気分といった症状を評価する指標です。スコアが低いと症状が軽減していることを意味します。
被験者:25441人(外来受診)
期間:1944年1月~2017年8月1日
結果
サインバルタ:-3.13
リリカ:-2.79
イフェクサー:-2.69
レクサプロ:-2.45
上記の4品目はハミルトン不安評価尺度の減少および忍容性が高い医薬品と評価されています。
リフレックス
ジェイゾロフト
フルオキセチン(国内未承認)
ブスピロン(国内未承認)
アゴメラチン(国内未承認)
上記の5品目も有効性・忍容性が高い医薬品でしたが、件数・サンプル数が少ないため評価は限定的でした。
セロクエル:-3.60
セロクエル(クエチアピン)は不安を取り除く効果は最大値を示したのですが、プラセボ(偽薬)と比較すると忍容性が低いという評価でした。(セロクエルを飲むと太る・眠くなるなどの副作用を感じたために継続的に飲み続けることができなかったという評価です)
パキシルやベンゾジアゼピン系の薬も効き目はあったものの、忍容性が乏しいという評価でした(眠くなる)
SSRI(パキシル・レクサプロ・ジェイゾロフト)の用量の上限が海外とくらべて少ない理由