ニキビ治療薬「ベピオウォッシュゲル5%」について
新しいタイプのニキビ治療薬が医薬品として承認されました。
ベピオウォッシュゲル5%という製品名で、「ウォッシュ」と薬品名に入っているように、この塗り薬は塗布後5~10分後に洗い流すという使い方となっています。
使い方は、1日1回、洗顔後、患部に適量を塗布して5~10分後に洗い流すということですから、顔を2回洗うことになりますね。
既存のベピオゲルの濃度が2.5%であったのに対して、ベピオウォッシュゲルの濃度は5%ですので濃度が倍なんですね。
(ちなみに欧米では最大で10%の濃度のベピオウォッシュゲルが処方箋医薬品およびOTC医薬品として上市、販売されています。)
濃度を高めることで、短時間接触両方製剤として新たなニキビ治療薬が発売となるわけです。治験段階における臨床成績を見てみると、3カ月間使用を続けた結果、ニキビの数が半分程度まで減ったという報告が多いようです。
ベピオウォッシュゲル5%によるニキビ菌をやっつけるメカニズム
ニキビの原因菌を退治する
ベピオウォッシュゲルの主成分である過酸化ベンゾイルは分解すると「フリーラジカル」というものを出します。このフリーラジカルはニキビの原因となる細菌(アクネ菌)をやっつける働きがあります。細菌をやっつけることで、ニキビが治りやすくなります。
毛穴の詰まりを改善する
過酸化ベンゾイルは、毛穴の入り口(毛漏斗部)が詰まっている状態を改善する作用もあります。毛穴の入り口の詰まりは、皮膚の角質細胞(肌を作る細胞)の結びつきが強くなってしまうことから起こるのですが、過酸化ベンゾイルはこの結びつきをゆるめてくれます。
角質が剥がれやすくなる
毛穴の入り口がきれいになり、結びつきが弱まると、肌の一番外側にある「角質層」が自然に剥がれ落ちやすくなります。すると毛穴の詰まりが解消されて肌がきれいになり、ニキビを防ぐ効果も期待できます。
使用上の注意点としては、使用中に日光に暴露したり紫外線にあたると、皮膚の忍容性が低下したり、皮膚刺激性が増悪する可能性があると海外のデータで報告されていますので、使用する際は、夜に塗布するといいようです。
塗布後5~10分後に洗い流さすことがルールとなっていますが、10分ではなく10時間塗布を続けた場合、塗布部位の紅斑・掻痒感・皮膚剥離・皮膚のつっぱり感といった有害事象が増すという報告がありますので、治療を続けるにはルール通りに使用することが求められます。
毎日5~10分間の塗布を続けることにより、アクネ菌に対して十分な抗菌活性が示されています。
またベピオウォッシュゲル5%は1本20gの製剤で1日0.5gを使用すると40日間で使い切る計算となります。開封後40日間においては明確な品質の変化は認められていません。

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