おじさん薬剤師の日記

調剤薬局で勤務するおじさんです。お薬のはたらきを患者様へお伝えします

高尿酸血症治療薬(痛風治療薬)

フェブリクを飲むと腎機能低下が抑制される/尿酸値を4.5mg/dlまで下げると腎機能が低下しにくくなる

投稿日:2019年3月14日 更新日:

フェブリクを飲むと腎機能低下が抑制される/尿酸値を4.5mg/dlまで下げると腎機能が低下しにくくなる

 

高尿酸血症を有する高齢者においてフェブリク40mgを飲むと腎機能の低下を抑制する効果があることを川崎医大などの研究チームが大規模臨床試験の結果としてデータを公開しています。(European Heart Journalオンライン)

報告によると、尿酸値を4.5mg/dlまで厳格に管理することで腎機能の低下リスクが減少しています。

 

解釈はさまざまですので、何とも言えませんが、尿酸値は2.0mg/dl以上であれば、低ければ低いほどいいという解釈をする場合、

 

健康診断の結果を見て

“尿酸値が7を超えてなかったかビールが飲める”

という発言は、今後消えていくかもしれません。

フェブリクによる腎機能低下抑制

 

被験者:65歳以上の脳心臓腎臓血管リスクを有する高尿酸血症(1070名)

期間:3年間

 

フェブリク服用群:537名

フェブリク10mgから開始して、4週目に20mgへ増量、8週目に40mgまで増量

エンドポイントにおける平均服用量:フェブリク29.1mg±12.3mg

(537名中362名がフェブリク40mgを服用、それ以外は尿酸値をみながら減量)

 

非フェブリク服用群:533名

血清尿酸値が高い場合はアロプリノール100mgの服用を検討する

(533名中145名がアロプリノール100mgを服用)

 

フェブリク群・非フェブリク群ともに尿酸値が2.0mg/dlを下回った薬剤を減量すること

 

高尿酸血症(尿酸値が7~9mg/dl以上)の65歳以上の高齢者に対して、

“フェブリク40mgを服用する“または”アロプリノール100mgを使用するかどうか検討する“

 

という比較実験は、フェブリク・アロプリノールの効果を比較するというものではなく、尿酸値をしっかり低下させた場合、“脳・心臓・腎臓リスク”がどの程度減少するかを確認したデータと個人的には捉えております。

(フェブリク40mgとアロプリノール100mgの服用比較ではあまりに、アロプリノールが足りません)

結果

フェブリク服用群の尿酸値:4.50±52 mg/dl

非フェブリク服用群の尿酸値:6.76±1.45 mg/dl

 

フェブリク40mgを服用したため尿酸値が4.5まで低下しています。非服用群においても尿酸値が7以下まで抑えられています。この場合の解釈は非服用群が一般的な医療としての尿酸値管理、フェブリク40mg服用群は“厳格な尿酸値管理”という解釈かもしれません。

では65歳以上の高齢者で尿酸値を4.5まで厳格に管理するとどのような利点があるかを確認してみました。

臨床結果

 

死亡人数・脳血管疾患・非致死性冠動脈疾患・心不全・動脈硬化・腎障害・心房細動などの複合的な主要評価項目の発生率

フェブリク服用群:23.3%

非フェブリク服用群:28.7%

 

腎機能障害リスク

フェブリク服用群:16.2%

非フェブリク服用群:20.5%

 

尿酸値を4.5mg/dlまで厳格に管理すると主要評価項目・腎機能低下といったリスクを軽減できることが上記の報告より確認されました。

 

興味深い点として、フェブリク服用群・非服用群における年間平均eGFR(推定糸球体ろ過量)には有意差が示されませんでした。

(厳密なデータとしては、フェブリク服用群でGFRの低下率がー0.37、非服用群でー0.69となっており、フェブリクを服用したほうがGFRの低下率が少ないのですが、このデータについては有意差が示されなかったという意味です。)

まとめ

今回報告された臨床試験はフェブリクを製造販売している帝人ファーマから資金調達を受けているため筆者らはまとめとして「フェブリクを服用することが尿酸値を低下させ、腎機能障害の進行を抑制させる。日本人の13%慢性腎臓尿(CKD)とも予想されており、無症候性高尿酸血症の予防的治療としても有益なデータ」とまとめています。

 

2015年ころにSPRINT試験という臨床データが公開されたことを、今回の報告を見て思い出しました。

SPRINT試験とは、血圧を120以下に厳格に管理した群は血圧を140以下に管理した群と比較して心血管リスクを低く管理することができるという報告のことです。今回の高尿酸血症患者さんのデータはこれに近い印象をうけました。

 

フェブリク40mgによって尿酸値を4.5mg/dlまで厳格に管理した群は、尿酸値6.76mg/dl群と比較して腎障害リスクを優位に低下した。という解釈です。

 

フェブリク40mgの薬価が1錠で108.7円ですので、費用対効果があるかどうかはわかりませんが、尿酸値の厳格管理を行うと、腎障害リスクが低下する意味合いは非常に有益なデータに感じました。

フェブリク錠とトピロリック錠(ウリアデック錠)の違いについて

-高尿酸血症治療薬(痛風治療薬)

執筆者:ojiyaku


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